●新郎新婦への花束贈呈

マナーズ博子「お子様に、新郎新婦への花束贈呈を頼まれることもあるでしょう。

はずかしがらないで、姿勢よく堂々と、ニコニコしながら、『おめでとうございます』と言いながら渡すことができれば一番いいですね。おうちで練習しておきましょう」

●記念写真撮影

マナーズ博子「みなさんで並んで記念撮影をすることもあるでしょう。親が抱っこするか、もしくは写りやすいように最前列に座ることが多いです。

その際、女の子は特に、両足の膝をしっかりとつけるようにすること。あとはカメラのほうを向いてにっこりすることを伝えればOKです」

●会場入り・退場時の新郎新婦への直接の挨拶

マナーズ博子「たいていの場合、会場に入る前や、退場する際に、新郎新婦に直接対面してご挨拶する機会があります。その際、お子様にも挨拶をさせると喜ばれます。

『おめでとうございます』『お招きいただきありがとうございます』『きれいでした』『お幸せに』など、お子様の口から聞くことができれば、さらにその場が和やかに盛り上がることでしょう」

子どもが騒いでしまったときのマナーある対処法

会場内で、子どもがくずったり、騒いだり、走り回ったりしてしまってどうしようもなくなってしまった場合、親はどうすべきでしょうか?

マナーズ博子「その場ですぐに落ち着かせられればいいですが、なかなかすぐにはむずかしい場合は、いったん、会場の外にお子様と一緒に出ましょう。

このとき、周囲の方々にご迷惑をおかけしていることを心から謝罪し『申し訳ありません』と伝えながら退室します。

注意が必要なのは、会場内でも会場外でも親が子どもを決して怒ってはいけないということです。お子様が騒いでしまったら、『●●くん、ちょっとこっちに来て』などと笑顔で優しく連れ出すことが大切です。

会場の外に出ても、説教などもしてはいけません。怒ったり、説教をしたりしてはいけない理由は、お祝いの場だからです。何をしに来ているのかの目的を忘れてはいけません。

お祝いの場ですから、基本的に笑顔で、楽しくなるような雰囲気で行動すること。会場内でも外でも周囲の人は見ています。

せっかくお祝いの気持ちでそこに来ているのに、怒っているママや泣いてる子どもを見かけたら、悲しくなってしまいますよね。新郎新婦のほか、ゲストなど周りの人、全員の立場に立って行動するのが本来のマナーです。

ですから、お子様もおとなしく、笑顔でお祝いの気持ちを持って参加できるようにすればいいのです。親が怒ると、子どもが泣き出したり、不機嫌になったりして逆効果になってしまいます。

子どもは飽きてしまってうずうずしてしまうことが原因で、騒いだり、走り回ったりすることが多いので、まずは一緒にトイレに行くなどして上手に気分転換をしてあげましょう。ここは親の力量となりますね。

お子様が落ち着いてきたら、『美味しいケーキ食べに行こうか?』『そろそろお姉さんが、綺麗なドレスを着て出てくるよ』などと言って、楽しく会場に戻るようにしましょう。

とにかく親がお祝いの場であるということを、お子様に言葉や態度で伝えることが大切です」

子どもにおうちで事前に教えておきたいこと

結婚式に出かける前、自宅では子どもに色々と教えておきたいものです。マナーズ博子さんは次の5つのことを教えるといいと話します。

  1. 表情
  2. 態度・姿勢
  3. 挨拶
  4. 身だしなみ
  5. 拍手

マナーズ博子「お子様には、まず結婚式はおめでたい、お祝いの場だということ。そして絶対に騒いだり、走り回ったりしてはいけないということを伝えましょう。その上で、この5つを教えてあげるといいでしょう。

表情はニコニコ。態度・姿勢は、大声をあげない、足をぶらぶらさせない、人や物を叩いたりしないなど。挨拶は、『おめでとうございます』『ありがとうございます』など。

身だしなみは清潔なものをきちんと親が整えてあげて、拍手はスピーチなどの前後にできるように教えてあげましょう」

ポイントになるのは、結婚式は「お祝いの場」であり、お祝いをするために出席するということ。そして新郎新婦や親族、ゲスト、スタッフなど全員の立場に立って、最も良い行動、つまりマナーある行動をすること。

これを踏まえていけば、子どもが万が一そそうをしてしまっても、親がうまく対処することができます。ぜひママやパパ自身が笑顔を絶やさず、お祝いの気持ちを常に持ち続けながら、子どもと一緒に楽しい気持ちで出席しましょう。

【取材協力】マナーズ博子さん

マナーコンサルタント・美道家
マナーは相手の立場にたつ『相手ファースト』という真心マナーRとおもてなし礼法Rを伝え、互いに幸せになる生き方を、マナーを通じて伝える第一人者。『心をカタチにするマナー』を提唱。
企業のマナーコンサルティング、講演、NHK大河ドラマや映画、CMなどで、多くの俳優や女優、一流スポーツ選手たちにもマナー指導を行うマナー界のカリスマ。
さらには、夫婦、親子、婚活中の方々などのマナーコミュニケーションRにも定評があり、マナーズ博子(マナー西出ひろ子)のマナー講座を受講したら幸せな結婚、出産をすることができる、と受講者たちからの喜びの声も多数。
その結果、幸せなウエディングやライフスタイルをご提案する活動を、沖縄を拠点に活躍中の百次亜紀子さんと展開中。マナーの専門家としてのメディア取材や出演依頼も多数。著書・監修に28万部の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)など、国内外で90冊以上。著者累計100万部以上。最新刊「さりげないのに品がある気くばり美人の基本」(かんき出版)も好評。

ライター。美容、健康、グルメなど、今ドキ女性が気になる情報をお届けしています。素朴な疑問を調査したり、専門家に聞いたりして、分かりやすく読者に伝えるのがモットー。