というのも、本当にいじめたいのであれば、「教室で2人きりの状況」は絶好のチャンス。ですが、何もしない。それどころか、優しい態度をとることも。

つまり、彼らはいじめの対象者が憎いのではなく、自分たちの周囲にいる仲間の存在が大きいのです。意識が仲間にいっており、彼らを楽しませようと思い、いじめ行為をするのです。

実は、いじめっ子は相手の苦しんでいるところを見たくていじめるわけではないのです。そうではなくても、周りの人(特に友だち)を楽しませるために行います。

そして、本人は自分が楽しむためにしているわけではないので、『これはいじめではない』と考えます。どんなにひどいことをしても、友だちが喜んでくれれば満足します。

出典いじめから脱出しよう!: 自分をまもる方法12か月分

これが多くの場合の“いじめの構造”だと言えるでしょう。

一度、その対象となってしまったら、大人でもパニックになるいじめ。

もちろん、全てがこのケースではありませんが、予め構造を知っておくことは大切です。いじめっ子の意識は、被害者ではなくもっと別のところにあるのです。

いじめっ子の心情を把握しておくだけで、目の前のいじめ行為が陳腐なものに見えてきますし、「相手にしなければ良い」とどっしり構えることができますよね。日頃から、こういったお話をお子さんとしても良いでしょう。

2~3月に、具体的にするべき行動とは

玉聞さんの教えによると、この2、3月という時期は、いじめっ子と離れるチャンス。というのも、翌年度のクラス編成を行うのがこの時期なのです。ぜひ、このタイミングで先生に相談すると良いでしょう。

先生、○○さん(いじめのリーダーの子)に注意はしなくていいです。でも、クラスがえでは、別のクラスにしてください」。これなら、いじめっ子に『チクった』と逆うらみされることもなく、安心して4月を迎えることができます。

出典いじめから脱出しよう!: 自分をまもる方法12か月分

多くの場合、いじめっ子はいじめ対象者のことを嫌っているわけではありません。ですので、クラスさえ変わってしまったら、わざわざ追いかけてくる可能性も低いと考えられます。

もちろんいじめのないクラスが一番ですが、万が一、その当事者となってしまったら……。子どもよりも親がテンパってしまわぬよう、「いじめの構造」を理解しておくと良いかもしれませんね。