「いじめと戦おう!~対策と克服法~」管理人が語る
2017年になって2カ月、相変わらず全国で報告される「いじめ」のニュース。
沖縄市では、中学校に通う男子生徒が同級生から一方的に殴られ、蹴られといった暴行を受け、その行為が撮影した動画がインターネットで広まりました。
また、横浜市では、福島第一原発の事故後に福島県から転校した小学生(現中1)がいじめにあい、総額約150万円を払っていたことがわかりました。
1月20日には、横浜市教育委員会が「いじめ認定が難しい」という判断をしたことから、物議を醸しました。(その後、2月13日には「いじめの一部として認識し、再発防止を検討する」との考えを示しました)
この年代のお子さんがいるママにとって、「いじめ」は気になるテーマかと思います。いつ自分のお子さんが被害にあうか……。
ただ、気になってお子さんに問いかけても、なかなか正直にその状況を話してくれるケースは少ないもの。余計に気になって仕方ありませんよね。
いざ、自分がいじめの当事者となった時、おそらくお子さんはその状況に混乱し、冷静ではいられなくなるかと思います。
しかし、それ以前にママがいじめの「仕組み」をしっかり理解し、また、そのことをお子さんに伝えることができていれば……、最悪の事態を避けることができるのではないでしょうか。
今回は、このいじめの本質部分について考えてみたいと思います。
書籍『いじめから脱出しよう!: 自分をまもる方法12か月分』の著者・玉聞伸啓さんは、東京都大和市役所で働きつつ、ホームページ「いじめと戦おう!~対策と克服法~」の管理人。
2007年からあるこのHPには、いじめに関する悩みを抱える多くの方からの相談が届きました。その数なんと800人以上。
玉聞さんは、これらの相談から、「時期によって相談内容に傾向があることや、いじめっ子のねらい、いじめが起きるまでの流れ」などがわかるようになったといいます。
なぜいじめっ子はいじめを行うのか
同書での指南の一つに、「いじめっ子の習性」があります。なぜ、彼らはいじめをするのか、についてです。
例えば、こんなケース。
いじめをする側にはリーダー的な存在がいます。音頭をとっていじめを始め、うまく盛り上げながら、周囲に仲間を加え、どんどんその体制を大きくするのです。被害者からすると、目も合わせたくない存在です。
そんないじめっ子のリーダーが、いじめの対象者と教室などで2人きりになったら……。
いじめられている方からすると、たまったものではありません。今度は何をされるのか、と身構えてしまうのも当然。
しかし、多くの場合は「何もされない」と、同書で紹介されています。つまり、何もしないで、スッとどこかへ行ってしまうのです。
これが女子の場合だと、ニコニコと話しかけてくることも。一緒になっておしゃべりをして笑う。「ひょっとしてこれは、いじめが終わったのでは」と、思ってしまうほど仲良く接するのです。
そこに深い意味があるわけではありません。普通におしゃべりをしているのです。
しかし、翌日。前日のように2人きりではなく、いつものいじめっ子友だちと一緒にいる時に接触すると……、ニコニコと話しかけるわけでもなく、いつものいじめが始まってしまうのです。
この行動から、なぜいじめっ子はいじめを行うのか、その目的がわかると玉聞さんは語ります。