「子どもが失敗するのを見るのが耐えられない」
「子どもが大変な目に遭わないように」
「子どもに可哀想な思いをさせたくない」
「子どものために良かれと思って」
こんな思いが錯綜して過保護・過干渉が過ぎ、あれこれと世話を焼きすぎ、知らず知らずのうちに子どもの成長の芽を摘んでしまっているママがいます。
これらの行き過ぎたママは、子どもの頭上をパタパタと旋回するヘリコプターのようなので、それをうんと皮肉って“ヘリコプターペアレント”と呼びます。
更に、子どもが自分の力で困難を乗り越えて、歩き出そうとしているのに「これは邪魔でしょ」「これは危ないから」と考えて、除雪車のように雪をかきわけ、子どもの通る道をならしていくので“スノープラウペアレント”と呼んだりするそうです。
このようなママにならないように、子どもに対してどんな対応をしたらよいのでしょうか。
『1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。
ヘリコプターペアレントになりやすいタイプ
理想の子ども像を追って完璧を目指す人
完璧主義の人はこんな考えがあります。
- 白か黒かはっきりさせたい
- 100点か0点しか存在しない。99点取るのは0点と変わりないと考える
- 全か無か思考
真面目で努力家で責任感が人一倍強く、自分に対しても「いいママでいなくてはならない」と、理想のママ像を追い求めて頑張っています。
「子どもの出来栄え、子どもは自分の作品=ママとしての評価」となってしまうので、子どもに対しても、“まるで自分のことのように”失敗を許せないのです。
ですから、子どもがつまずきそうになるのを見ていられなくて、うまく行くように手出し口出ししてしまうのですね。
子どもを「自分の所有物」と思っている人
妊娠した時点でお腹にいるのは自分とは違う人間なのに、自分の胃や心臓のように子どもを“自分の所有物”と勘違いしてしまっているケースです。
だから、これもまた“まるで自分のことのように”あれこれ指示を出したくなります。
心配性、不安な人
心配性で神経質な人のケースです。子どもが転びそうになったり、つまずきそうになったら、その前から「こうしなさい、ああしなさい」と、つい助けてあげたくなります。
気が利きすぎる人
よく気が利いて、察しが良いケースです。奥さんとしては最高かもしれませんが、子どもには良くない場合もあります。
子どもがこれからやろうと思っている前から「あれやったの?」「忘れ物はない?」と注意喚起し、子どもが黙っていても、「喉が渇いているんじゃないの?」「トイレに行きたいんじゃないの」とつい声をかけてしまいます。
結果的に、子どもが指示待ち人間になってしまいます。
でも、ママは自分の対応が原因なのに「私がこんなに気が付くタイプなのに、どうして私の子なのにボーッとしているんだろう」と悩んでいたりします。
こんな風に「知らんぷり」していればよいのです。