ことなかれ主義の人

©あべゆみこ

争いを嫌い、いつも平和であることを望んでいるケースです。

子どもがまだ喧嘩もしていないうちから「仲良く遊ぶのよ」とか、転ぶ前から「転ばないのよ」と注意したくなります。

「これこれこうした方が良いわよ」と先回りして、子どもが失敗しないように障害物を取り除こうとします。

親は子どもをずっと監視することはできない

わが子の身に起こることが、心配で心配でたまらない“ヘリコプターペアレント予備軍”の人は、「親がずっと監視していられるわけではない」ことを知りましょう。

次のような例でお話しします。

コップを忘れた子

いつもママが飛んで来て、あれこれ助けられ過ぎていると、一人になったとき、ママがいなくては何も出来ない子になってしまいます。

例えば、幼稚園に持っていくコップや歯ブラシを忘れたとき、「先生がきっと気が付いてくれるに違いない」と、保育者が気が付くまでじっと黙っています。「先生、コップを忘れてしまったので貸してください」とSOSを出すことが出来ないのです。

「自分のことは自分でしなさい、自分で先生に言いに来なさい」と担任が教えると「だってママが入れてくれなかったんだもん」と親のせいにする子もいます。

子どもが帰宅後、持ち帰った連絡帳に担任から「今日、コップが入っていませんでしたので園の物をお貸ししました」と書いてあると、「ごめんね。ママが入れるのを忘れちゃって・・・」と子どもに謝ったりします。

水着を忘れた子

ある小学生の子どもがプールに行くとき、水泳帽、水着を持って行くのを忘れました。

プールで着替えようとしたら、水着も帽子もゴーグルもありません。「わああ、お母さんが入れてくれなかった!」と騒いでいました。

するとコーチから、「なんでお母さんのせいにしちゃうの?」と諭されました。そして「お母さんが泳ぐんじゃないよね。自分の水着なんだから、今度からは自分でちゃんと用意してね」と言われていました。

親からではなく、他人に「自分の物は自分で準備しなくてはならない」ということを教えてもらった子でした。

本来ならば、家庭でこれを教えてほしいですよね。

「子育ての目的は、最終的には自立」と言われますが、何も親元を離れて生活し、生計を立てることだけではありません。幼い頃から、壁にぶつかって失敗したり転んだりして、自分で策を練る体験を積ませることなのです。

このように考えて、あまり手出し口出ししすぎるのを控えてみませんか?

(おまけ)植物の育て方も子育てと同じ

観葉植物のパキラを買ってきました。でも、枯らしてしまいました。構い過ぎ、水をやり過ぎて、パキラは根腐れしてしまったのです。

注意書きには…
「必要以上に水を与え続けてしまうと、植物の根が腐ってしまい枯れてしまいます」と書いてありました。 

子育ても同じなのではないでしょうか。

まとめ

子どもは子どもなりに失敗を繰り返し、人として成長していくので、先回りする行為は、時と場合によって、子どもの伸びる芽を摘んでいることになり兼ねません。

子どもは失敗することで、沢山のことを学んでいます。成長のチャンスを取り除くことをしないようにしたいものですね。