ティッシュを引っ張り出す、テーブルの上の物を落とすなど、子どものいたずらに困った経験はありませんか?そんなとき「やめなさい」「こんなことしちゃダメ!」と強く叱ってしまうママも少なくないはず。
「子どものいたずらには意味がある」と語るのは、0歳からの乳幼児親子教室「輝きベビースクールアカデミー」代表理事で、乳幼児教育の専門家として幅広く活躍する伊藤美佳さん。子どものいたずらには、能力を伸ばすチャンスが隠れていると言います。
今回は伊藤さんの著書『引っぱりだす! こぼす! 落とす! そのイタズラは子どもが伸びるサインです』から、子どものいたずらも広い心で受け止められる、そんな内容を4選ご紹介します。
1: 手のかからないイイ子を求めない
「どうして困ることばかりするの?」「怒っても言うことを全然聞いてくれない」と、子どものいたずらにお手上げ状態のママはいませんか?なかには、手のかからない子がうらやましいと思っている方もいるはずです。
しかし「親の言うことを聞いて、なんでも言うとおりにできて、おとなしくて手のかからない子がいい子なのでしょうか」と、伊藤さんは疑問を投げかけます。
自分の意見を持たず、言われた通りに素直に行動する子たちは、社会に出てから苦労するといいます。なぜなら、社会に出てからは、指示をしてくれる大人も、守ってくれる大人もいないからです。
今の子どもたちが社会人になる頃には、現在ある職業のほとんどがなくなってしまう時代が来るでしょう。これから求められるのは、自分の力で考え、時代のニーズをキャッチし、新しい仕事を生み出していく力だといいます。
そのためには、乳幼児期にしっかりと脳を育て、自ら考え発想力のある子にすることが大切になるのです。
2: 手指を使う機会を与えよう
では、子どもの脳を育てるにはどうすればよいのでしょうか。
保育園・幼稚園に26年間の勤務経験を持ち、これまで9000人もの子どもたちを見てきた伊藤さん。そのなかで強く気になっていたのが、子どもたちの手指の退化だといいます。
幼稚園に入園する時点で、蛇口をひねったことのない子、トイレットペーパーを使う時に、押さえて切ることができない子がいるそうです。
今の便利な世の中では、子ども達が手指を使う機会が少なくなっています。このままでは、「意識的に」手指を使う機会を与えてあげなければ、子どもは退化する一方とのこと。
手指は、第二の脳とも言われています。つまりたくさん手指を使うことで、脳を刺激し発達させることができるのです。
とはいえ、手指を使わせるために、子どもの意思を無視して、何でも与えればいいわけではないそうです。子どもが夢中になる遊びを見つけるヒントが、いたずらのなかにあるかもしれません。