筆者の経験
筆者の息子は乳児期から食物アレルギーを発症しました。母乳時代も私がパン、うどん、ケーキ、ハンバーグなど、小麦、卵、牛乳を一切含まない食事をすることでしのいでいました。
粉ミルクは牛乳が成分ですので使えませんでした。アレルギー用の粉ミルクはありますが、“アレルギーを起こしにくい”とか、“乳を飲むと下痢をしやすい赤ちゃん用”のもので、重症の赤ちゃんには使えませんでした。
母乳が終わってからは食事が始まり、家族が調理のために使ったフライパン、箸、包丁、それを洗ったスポンジもアレルギー成分が残っている可能性があるため、息子には使えませんでした。
誤って食べてしまったことも
食物アレルギーの子どものために色々な商品が売られています。その中で“卵を使っていない卵ボーロ”があり、早速買ってみました。しかし、盲点がありました。
家でアレルギー用の“卵を使っていない卵ボーロ”をおやつに与えていたので、息子はママ友の家で出された“卵の入っている卵ボーロ”を、食べてもいいお菓子と勘違いして口にしてしまいました。
すると、みるみるうちに身体は腫れあがり呼吸困難を起こし、病院で手当てを受けることになりました。
ママ友との付き合い
一番、神経を使ったのが子ども同士の集まりでした。大皿にどっさり盛られたクッキーに「手を出したらいけない」と息子を見張っている状態でした。皆がカルピスを飲んでいても、お茶やリンゴジュース、煎餅を与えていました。
そんな様子を見て、生クリームを使わない豆乳ケーキや卵抜きのクッキーを準備し、「みんなで○○君(息子の名前)が食べられるものを準備しよう」と気を使ってくれたママ友もいました。
けれども、卵ボーロ事件もあったので「息子に対しては『自分はお友達と同じものが食べられないんだ』という経験をあえてさせて、身を守る術を教えたいから気にしないで~」と言って断りました。
アレルギー児を持つ親には様々な考えがあります。私は「ご先祖様から頂いたこの“アレルギー体質”を本人に受け入れさせよう」と思ったので、見た目が似ているお菓子や食事を作ることはしていませんでした。
試食コーナーは怖い
食物アレルギーに対して理解が深まってきてはいるものの、デパ地下の試食コーナーではパートの人にまで教育が行き届いていないのか、たとえば爪楊枝に刺したちくわを「ボクも食べる?」と子どもに渡してしまっている店員もいます。
このように世の中の人全員に理解してもらうのは遠い道のりです。それよりも、幼いうちから当人に‟自分のアレルギー体質についてしっかりと教えていくこと”が、まず大切だと思います。
筆者の息子は今では成分表を見て、「自分が食べられる、食べられない」を判断できるようになりました。
まとめ
アナフィラキシーショックを起こすような重度のアレルギー児だった場合、また軽いアレルギー児だった場合でも、預かる場合は「○○君(○○ちゃん)用のおやつを自分で持たせてね」と言った方が安全です。
親切に用意したものに反応してしまったら大変なことになるからです。また緊急時の対応も聞いておきましょう。
食物アレルギーを持っている子が大変な生活をしていることを、少しでも理解してくれる人が広まると嬉しいです。