あの動物の「刺激臭」を再現! 嗅いでみた結果…
ゾーン2:「マッドサイエンティストの研究室」へやってきた。展示テーマは「毒を利活用する生物」。
見かけはあまり毒々しくはないが、実は強力な毒を持っているという者が多い。空間のカラーもグリーンとなり、なんだかホッと一息つくような気持ちになるが、油断してはいけない。
刺胞毒を持つインドネシアシーネットルは毒レベル「2」。触手が長いので、毒を受ける範囲も長くなりがち。
コバルトブルータランチュラは、ケージの隅っこでじっとしていた。毒レベルは「2」。
身体を甲羅にひっこめているのはミツユビハコガメ。リクガメの中でも毒を持っているのはこのカメだけ。
彼らは毒キノコを食べるので、身体の中で毒が溜まっているのだと言う。自分には毒が効かないのだろうか。毒レベルは「不明」だった。あまり人間が被害にあった症例は無いのだと言う。
うっかり手が触れると、毒を受けてしまう可能性があるハタゴイソギンチャク。見た目はとても綺麗なので無警戒に触ってしまいそう。毒レベルは「2」。
ゾーン2を進んでいくと、一際大きなガラスケージの中に毛むくじゃらの生物を発見。奴こそはシマスカンク。強烈な悪臭を放つことで、外敵から身を守るお馴染みの動物である。
肛門の付近に臭腺を持っており、いざという時に分泌液を噴き出す。この悪臭は、風向きよっては1㎞先にまで到達するという凄まじいもので、おかげで大型の動物も好んでは襲わないようである。
ここに展示されているシマスカンクは、実は臭腺を除去してある。そのため、もし相対したとしても、分泌液をかけられる心配はない。会場にいたスカンクはスヤスヤ眠っていた。
ちなみに、日本にいるほとんどのスカンクは臭腺を除去済なのだという。とはいえ、当のシマスカンクは臭腺が取られているとは知らないようで、お尻を向けて威嚇することもあるようである。スカンクには悪いが、イメージするととても可愛い。
ここには、今回の展示の目玉の一つともいえる、「スカンクの刺激臭」体験コーナーがある。香りのプロフェッショナルであるプロモツール会社の匹田愛さん(調香師)が、「臭いを抑えて(重要)」再現させた「スカンクの刺激臭」を嗅ぐことができるのである。
クサイ臭いといっても、どれほどのもなのか? と思っている諸兄諸姉にとっては、貴重な体験になることは間違いない。自然界で実際に食らってしまったら大変なことであろう。用意された穴に鼻を近づけ、ボタンを押して臭いを体験できる。ボタンは自分のタイミングで押せるので、気持ちを落ち着けから押してみよう。
刺激臭なので、人によってはむせてしまう事あるというので注意。ニンニクや硫黄、焼けたゴムなどが入り混じったような臭いがすると言われているが、実際に嗅いでみると、そのどれもない独特な印象を持った。脳に直接刺さるようなインパクトを感じる。
ちなみに、ニンニクやごま油由来の香りが使われているそうだ。サンプルに使っている分泌液は数年間保存されたものだというが、それを弱めてなおこのインパクト。本物のオナラ(分泌液)は絶対に食らいたくない。