2:包丁を使わせる前にテーブルナイフで練習させる

――もう少し大きくなると、包丁を使ったお手伝いもできるかと思います。「子どもに包丁を使わせるのが怖い」という親御さんも多いですが、包丁デビューのタイミングはどのように決めればよいでしょうか?また包丁を使わせるときに気をつけるポイントなどあるでしょうか?

浜田「包丁を使うには、手の大きさと、手の力加減と頭で考えていることがリンクしているかどうかがポイントです。

そのため何歳からという基準はありませんが、『包丁は切れるもの』としっかり教えたうえで、それでもやってみたいという意思があるときがはじめ時だと思います。

料理の楽しさを共有することは、子どもの心の成長に大変重要ですが、『包丁は怖くない』とは言わないようにしましょう。

ただこれには個人差があって、恐怖感を持っている子でも、実際に包丁を持つと、雑に扱ってしまう場合もあります。未知数のところがあるので、いきなり包丁を使わせるのではなく、最初はテーブルナイフなど、プレ包丁のようなもので練習をさせるとよいでしょう。

テーブルナイフを使わせていると、手に当たる機会もあると思います。テーブルナイフなので切れはしないものの、これが包丁だったら危ないなということがわかります。

そして最初に包丁を持たせる時には、目を離さず、子どもの手を支えてください。

手を切るのは、包丁を持つ利き手と反対の手なので、子どもの猫の手の上に、ママの猫の手を重ねましょう。徐々に慣れさせることが大切です。」

――ピーラーも同じでしょうか?

浜田:「そうですね。ピーラーを使うときにも、『ピーラーは手を切るから、刃を触っちゃいけないよ』と教えなければいけません。子どもは刃の部分を持ってしまうことがあるので、気をつけてください。

子どもに『料理は危険と隣り合わせである』ということを教えることが大事です。

人参の皮むきでピーラーを使うときには、子どもが人参を持っている手の上から、ママが手を重ねるようにしましょう。

『こんな風にやって』と渡すのではなく、初めてピーラーを持たせる時は、必ず一緒に行うようにしてくださいね。」

3:子どものやりたい気持ちを大切にする

本書では、子どもと料理する際のポイントの一つとして、「時間に余裕があるときにやること」が挙げられています。

ママだけならスムーズにできる作業も、子どもと一緒だと思いどおりに進まないもの。時間に余裕がないときには、心の余裕もなくなり、小さなことにイライラしてしまうといいます。

――ママが料理中、子どもが興味を持って「それやってみたい」と言われるときがあると思います。時間に余裕がない日など、上手な断り方はありますでしょうか?それともせっかく興味を持ってくれたので、簡単なお手伝いはさせるべきでしょうか?

浜田「時間がない時は、無理にやる必要はありません。子どもと料理をするときには、お母さんが笑顔で楽しめることが大事なので、お手伝いをさせてキーっとなってしまうのであれば、やらせない方がよいでしょう。

ただ絹さやの筋を取る、お米を研ぐ、ハンバーグのタネをこねるなど、子どもだけでできることならば、任せてもいいと思います。

またせっかく子どものやる気をかってあげたいという気持ちもありますよね。そんなときには『今はちょっと時間がないから、来週やろうね』『◯曜日だったら時間があるよ』と別の提案をしてあげましょう。

確約はできなくても『週末だったらできると思うよ。すごく楽しみだね』とポジティブな方向に持っていくのです。

『また今度』『いつか』という話ではなく、小さい子どもにも一度約束をしてあげることが大切になります。

期待されているという意識にもつながるので、子どものやりたい気持ち以上に、お母さんが楽しみだということを伝えるようにしてくださいね。」

普段はちょっと面倒に感じる料理も、子どもと一緒なら楽しい時間に変わるのではないでしょうか。

「まだ子どもが小さいから」と諦めずに、簡単な作業から任せて、親子クッキングをはじめたいですね。

浜田先生の著書『子どもと一緒に楽しく料理をつくれる魔法の声かけクッキング』は、親子で料理を楽しむコツや、簡単に作れるレシピが満載の一冊。子どもの好き嫌いなど、食事に関する疑問もわかりやすく解説しているので、ぜひ読んでみてください。

 ライター。Webニュースメディアや雑誌などで執筆中。得意ジャンルは美容、ファッション、エンタメ、お酒など。またアメリカ、カナダに留学経験があり、海外ゴシップ、セレブ美容にも関心がある。また一児の母であり、産後のダイエットや美容法についても研究中。