「使うもの」「お気に入りのもの」を選ぶことから始める
―片付けを始めるとき、一番最初にするべきことは何でしょうか。
森山「いらないものを捨てることでしょうか(笑)。でも、捨てよう、捨てようとはしない方がいい、と私は思っていて。
いらないものは手放す、ということは前提としてあるのですが、捨てよう捨てようとすると、嫌になってしまう人がすごく多いんです。『捨てたくないからもうや~めた』と(笑)。
だから、今使っているものや、お気に入りのものを選ぶ、という感覚で整理した方がうまくいく…というのをお客さまの家で実感しています。
『捨てる』ことにフォーカスするのではなくて、『今使っているもの』にフォーカスする。『使うものを選ぶ』…という選択肢は大事だと思いますね。
必要なものだけ、使っているものだけになったら、後はしまうときに大事なのは、『いかに最短距離でしまえるか』だと私は思っています。
家の中での動き、動作、動線ということになるのですが、やっぱり、面倒くさいと続かないじゃないですか」
【1階:子どもコーナー(リビング)】
帰ってきたらその足で、下段にかばんやランドセルがしまえる。
「中学生の息子が右側、小学生の娘が左側です。ここに、ランドセルやカバンを置いています。
2階に子ども部屋がありますが、絶対上には持っていかない。だから下(1階)に置き場を作って、帰ってきたらすぐにしまえるようにしています。
動線を短くして、子どもでも無理なく戻せるように。面倒にならない出し入れの仕組みを作るのが、ポイントだと思います」
【2階:子ども部屋】
収納は増やさず、ものが増えたら何かを処分するのが基本。この棚は仕事先でもよく利用するそう。「子ども部屋は、無印の棚に無印のボックスを使って仕分けしています。子どもでもわかりやすく、を心がけています。
収納で大切なのは『わかりやすさ』。一目瞭然になっていれば、『じゃ、今日はこれ使おう』とすぐ選べます」
小さなラタンのバスケットにミニタオルを収納。家族4人、これだけあれば十分、という一例。
【2階:クローゼット】
家族4人分の衣類を収納。
「わかりやすさが命」と森山さん。出し入れの手間なく、コーディネートもしやすい。
【1階:洗面所 上部の棚】

【1階:玄関脇の収納スペース】
靴やアウター、アクセサリー置き場もあり、ここで身支度完成。

森山「(生活を)シンプルにしていくと、ものが本当に減ってきます。
自分が必要なものってこれだけでいいんだなとわかってくるので、自然に減っていくんですよね。
若い頃はやっぱりいろいろ買ったりしていて。例えばガレージセールとか、家の前にレジャーシートを広げて置いておいて、持っていってもらうとか、そういうこともかなりしました。
そういう時期を通り越して、今があります(笑)」
必要なものを必要なときにパッと取り出して使い、使ったら即、元に戻す。
そんな、すがすがしいシンプル生活、もしかすると今がはじめ時? かもしれませんね。





























