「アニソン界の飛び道具になりたい」大サーカスを主催する個性派アニソンユニットangelaインタビュー（前編）（3/3）

デビュー17年目を迎えた、アニソン界の実力派ユニット「angela」。クリスタルヴォイスの歌姫・atsukoと、芸術家肌のミュージシャン・KATSUの2人が活躍に至るまでの苦悩とドタバタ裏話を大公開！

angelaの命はアニソンに捧げようと決意

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─元々、アニソンアーティストをめざしていたのですか？

KATSU「いいえ。あれこれやりすぎて『君たちは何をやりたいのかわからない』って言われてました。

1度目の苦い経験があったので、なんとか再デビューするために「ザ・オーディション」という雑誌を見てオーディションを受けまくっていたのですが、当時は小室哲也さん全盛期で小室さんみたいなダンスビート曲もありましたし、モーニング娘。さんみたいなポップな曲とか、渋谷系とか、EGO-WRAPPIN'とかorange pekoeとか、ちょっとジャジーなものとか、B I Gバンドっぽいものとか。

とにかく今、流行ってるものをやれば完璧にカバーとかオリジナルがあればデビューできると思っていたんです。バカだったんですね。」

atsuko「そんな状態が10年間。さすがにもうムリだと思って解散したいと言いました。ところが、KATSUさんに『あと1年だけ続けよう』と言われて、10年やってこれたんだし、後1年くらいならできるだろうって思ったんです。

そこから、本当にすぐでした。キングレコードの中西プロデューサーに声をかけてもらったのは。」

KATSU「atsukoさんから『もうムリだと思う』と言われたとき、内心は『ごもっとも』だと思いました。でも、どうしてもatsukoさんと2人のangelaを否定できなくて、先行きも見えないのに立ち上がって。だから、僕はそのときangelaは死んだと思っています。

で、死んでいた僕らを中西プロデューサーが見つけてくれて。それが最後のかけだったと思ったので、もし、この先angelaがアニソンで生き残れるなら、angelaの命はアニソンに捧げようって決意しました。新しい命を生んでもらったという気持ち。そういう再デビューだったんです。」

atsuko「そうは言っても簡単ではないとはわかっていましたね。アニソン業界もどんどん変わってきていて、声優さんが歌われる時代ですし、大変だなって。

それでも、『このアニメの作品を作ってください』って何度も何度も挑戦させてもらって、その度に無難な曲ではなく、ちょっとヘンな曲だけど、大丈夫かなって思いながら提案してきて、そうして今までつながってきているんです。」

KATSU 「嬉しいですよね。10年間やってきたことが、何一つ無駄にならなかったんです。今、アニソン界では学園モノもあれば、宇宙モノもあって、はめふらのようにほんわかした幸せになる作品もあって。だから、路上で培っていたオールジャンルの知識が作品の世界観と繋がって役立っているんです。」

─17年を振り返って、転機になった曲はありますか？

atsuko「作品ひとつひとつの出会いが転機だと思っています。自分でも知らなかった『私、こんな引き出しがあったんだって』気付かせてもらって、こんなangelaってたのしいなって。だから、17年経っても新鮮な気持ちでやれております。」