さらに、できる範囲で切っておくといっそう便利です。千切りやみじん切りなど、切るのが大変なものほど、前もって切っておくと後工程が楽ちんに。

けれども、切ってしまうと保存性が悪くなるのが難点。そこで、保存性を高めつつ、すぐ使える仕様にすると、一石二鳥になります。

方法としては、塩漬け(しょうゆ漬け)、酢漬け、火を通す、冷凍など。

にんじん、玉ねぎ、大根、きゅうりなどは、千切りや薄切りにしたものを塩でもんでおくと、サラダやあえものなどににすぐ使えて重宝します。

玉ねぎは半分使ったら半分をみじん切りして冷凍しておくと、レンジ加熱でハンバーグの具やカレー、玉ねぎ入りドレッシングなどにすぐ使えます。

かぶの葉など、使用用途がすぐ思いつかないような葉野菜(ほうれん草などアクの強いもの以外)は、洗って細かく刻んで冷凍庫へ入れておくと、インスタント的な味噌汁やスープの具に。

よく使う食材は、ご家庭によってわりと決まっていますよね。そういうものほど、3~4日程度で使いきることを目安に、ちょっとだけ先手を打っておくのが時短の秘訣かもしれません。

また、前日20~30分を次の日のための準備時間と割り切り、調味料の用意や下ごしらえをしておく、という回し方をするのもひとつの方法です。

でも、一度にがんばりすぎると疲れて続かなくなるおそれも。やりやすい方法でされることをおすすめします。

STEP4:万能調味料を常備。市販のめんつゆ、すし酢も便利

調味料やドレッシングなどは、いろいろ用意しても使い切れない場合が多いもの。そこで、何にでも使える万能調味料を常備しておきます。

かつてNHK『あさイチ』で紹介された、足立洋子さんの「てりたれ」(しょうゆ1:みりん2⇒アクを取りながら半量まで煮詰める)や、「甘酢」(酢1カップ:砂糖大さじ5:塩大さじ1)は、アレンジ自在で応用範囲が広いため、大活躍すること間違いなし。

市販のものでは、めんつゆやすし酢が同じような働きをしてくれます。めんつゆはお好みで砂糖を加えて煮物や親子丼などのつゆに使ったり、あえ衣にしたり。ソースやケチャップなどと合わせて自家製ソースにしたりもできます。

またすし酢は、そのまま酢の物に使えるほか、しょうゆなどを加えてドレッシングや南蛮漬けのたれに、ローリエや粒こしょう、赤唐辛子などを加えてピクルス液に、といった具合に展開できます。

STEP5:塩分は1%弱を基本に

一般的に、人が「おいしい」と感じる塩分濃度は、人間の体液と同じ0.9%と言われています。

というとなんだか難しそうですが、つまり、100mlのだし汁に対しては1g弱の塩味を入れる。すると、そこそこいい塩梅になります。

◆塩分1gの量

食塩:小さじ1/6 (※「少々」と「ひとつまみ」の間くらいの量)
しょうゆ:小さじ1
みそ:小さじ1 と2/3(※みその塩分によって異なります)

実際には、超少量でOK、または塩分なしでOKのものもあるなど、料理によって塩分の適量はかなり異なります。

が、だいたいの目安として覚えておくと、何かのときに役立つかもしれませんよ。

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。