学校でのいじめの問題はなかなかなくなりません。小中高生の子どもを持つ親なら誰でも、我が子がいじめに遭わないように、また加害者になることのないように、と考えるでしょう。

今回は書籍『親が知っておきたい学校教育のこと 1』から、いじめや不登校がなぜ起こるのか、また親はどのようなことに気をつけたらいいのかをご紹介します。

親は子どもの”悪い変化”を環境のせいにしたがる

著者の知人の話として、こんなエピソードが紹介されています。

中学生になり服装や親への態度に変化を感じた母親が、担任に相談したところ、「そんなことは心配ない。お子さんはクラスの皆に合わせて行動しているだけだ」というアドバイスを受けたのだとか。

それを聞いた母親は息子の変化が友達のせいなんだと分かると安心し、その友達の家庭のしつけができていないからだと納得したそう。しかし、著者はこの友達の親も恐らく、同じことを思っているのではないかと指摘している。

それに、子どもが悪くなったのは、友達のせいで、その原因は親のしつけにあるというなら、我が子の場合も、親である自分のせいということ。自分のこととなるとそんな矛盾には気づかないものなのです。

悪いことは誰しも環境のせいにしたくなってしまいますが、子ども、そして自分自身と向き合ってみることも大切なのではないでしょうか。

問いかけをしないことで周囲に合わせるだけの人間を育てる

「道路はなるべく端を歩こうね。人にぶつかったりするからね」。このような「◯◯だから、◯◯しなさい」というしつけには問題があるといいます。「なぜ」に対する理由を、親が押し付けているため、子どもは考えることをしなくなってしまうからです。

幼児期からこのようなしつけをしていると、他人に言われたことに疑問を持たず、周囲に合わせるだけの子になってしまうのだそう。

そうならないためにできるのは、子どもに「なぜだと思う?」と問いかけること。これは「考えるという習慣をしつけている」のだといいます。

他人の意見をそのまま受け入れるのではなく、自分の意見を持ち、それが他人と違うことを知り、どちらが論理的で説得力があるか判断する。このステップがとても大切なのです。