柔らかく、さわやかな自己主張を
子どもを叱るときに意識したいこととして、『祝婚歌』の一節があります。
それは、「正しいことを言うときは少しひかえめにするほうがいい 正しいことを言うときは相手を傷つけやすいものだと気づいているほうがいい」というものです。
歌のタイトルの通り、結婚する夫婦に向けて歌われた詩ですが、これはいろいろな人間関係にも言えることですね。
親子の溝を作らない叱り方の工夫として、この『祝婚歌』の一節にある考え方をもとに、“柔らかく、さわやかな自己主張”を身につけると、うまくいくかもしれません。
先程の、「帰りが遅くなった子どもを叱る」のであれば、「遅い帰宅にとても心配したこと」「なぜ帰宅時間に遅れるといけないのか」「次から気をつけてほしい旨」などを伝え、“柔らかく、さわやかな自己主張”をすればいいでしょう。その上で抱きしめたりするのも、子どもに気持ちが伝わって心がほぐれるかもしれません。
「帰りが遅かったね、心配したよ。何かあったの?」と聞いて、子どもが理由を答えたら、「今回はしょうがないわね。次からは、ちゃんと6時までに帰ってこられるように注意しようね」などと返したら、子どもも「お母さん、心配かけてごめんね…次は気をつけるね…」と、素直に反省できることでしょう。
確かに、自分が子どもだったころを振り返っても、自分が約束を破ってしまったなど悪いことをしてしまったときは、たいてい自分で気づいて反省はしていたと思います。そこを理由も聞かれずに怒られて、反発してケンカになるなんてパターンはよくあったような……。
落ち着いて「お母さんはこう思うから、こうしてほしい」と言われたら、素直に聞ける気がしますよね。
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「子どもの叱り方」は、永遠のテーマです。
子どもをワーッと怒りたくなったら、まずは一呼吸おいて、今回紹介した、『祝婚歌』の一節、“柔らかく、さわやかな自己主張”を意識してみてください。
親子関係が今まで以上にうまくいくかもしれません。
『かかわりの糸を結ぶ21の言葉―親から子へ 』では、この他にも子どもへの関わり方についてのさまざまな解決のヒントが紹介されています。
親子関係に悩んだら、ぜひ参考にしてみてくださいね。