時間に追われて子育てしている中、ついやってしまう「○○しながら、子どもに注意する」。
でも、これは“ながら族的注意”。何度注意しても、子どもが同じことを繰り返すのは、残念ながらママの声が子どもの耳から耳へと流れていっているからかもしれません。
日々の家事に追われる中、一体どのように子どもに注意したら、一度で言うことを聞くのでしょうか。
ベストな対応法を、『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津子がお話しします。
「ながら族」とは
ながら族とは、ラジオや音楽を聴きながら勉強したり、テレビを見ながら食事をするなど、他のことをしながらでないと集中出来ない人をいう。
こうした症状を、日本医科大学の木田文夫教授が「ながら神経症」と名付けたことから生まれた「ながら族」は広く一般にも浸透。
当事は「集中出来ない若者」とながら族は問題視されていたが、近年、ながら族のほうが効率のよい頭の使い方をしているといった見解や脳の活性化に良いという意見もある
日本語俗語辞書より
確かに机に向かって勉強するよりも、通勤中に電車の中で勉強したり、音楽を聴いたり、お菓子を食べながら勉強した方が頭に入りやすいこともありますね。
しかし!自分自身の行動に対してうまくいっても、子どもに対して「○○しながら叱る」というのは効果的ではないのですよ。
あるある“ながら族光景”
最近の診察室
最近は患者のカルテを紙ベースで保管せず、パソコンに入力する病院が多くなっています。
大学病院などは一人の患者のデータを各科で共有する必要もありますし、膨大な人数のカルテを紙で保管しておくわけにはいきません。
でも、患者側からみると何だか嫌じゃありませんか?医師がパソコン画面に目が釘付けになっていて、自分の目をしっかり見つめて話をしていない状態。「ちゃんと私の話を聞いているのかな?」と不安になることってありませんか。
このように、人と会話をするときに目を合わせない、向かい合っていないと自分の話を聞いてもらえない気になりますし、相手の話を聞く気にもなりませんよね。
幼稚園、保育園、小学校でも見られる“ながら族”
幼稚園、保育園、小学校でもクラスによって全体がざわついているクラスと落ち着いているクラスがあります。
様々な要因がありますが、教師自身が常に何かをしながら子ども達に声をかけている状態が続くと、先生の注意が子ども達の耳から耳へ抜けてしまうことはよくあることです。
例えば、黒板の方に身体を向けながら「みんな○○しなさい」と言ったり、プリントを触りながら指示を出す先生です。
落ち着いているクラスをみると、先生は一旦やっていることを中断し、手に持っているチョーク類やプリントを教卓に置き、教室の中央に静止し、子ども達の方をしっかり見ています。
「○○しながら注意する」のではなく、注意することだけに集中し、どっしりと構えて話す先生のクラスは不思議とまとまりがあります。