自立ができない、環境に適応できないなどの理由で社会問題となっている引きこもりですが、内閣府が発表した最新の調査結果によると引きこもりの人数は全国で約56万人に達しているとのことです。

その数は年々減っているのか増えているのか、実際のところは見えませんが、56万人もいるということは、引きこもり問題はもはや他人事ではありません。

わが子を引きこもりやニートにするつもりで子育てをする親はいないでしょうが、どうしてひきこもってしまったり、ニートになってしまったりするのでしょうか。

わが子を将来引きこもりやニートにしないためには、子どもの頃の親子関係、もっと言うならば10歳までの親子関係が重要だと指摘するのは、花まる学習会代表の高濱正伸さん。

引きこもりやニートにしないためには「メシが食える大人になること」が重要ですが、そのためには3つの自立(経済的自立・社会的自立・精神的自立)が必要で、この3つを獲得するためには10歳までに5つの基礎力を養うべきだと、高濱さんは言います。

今回はこの3つの自立のために必要な10歳までに養いたい5つの基礎力と、引きこもりやニートにしてしまう親子関係について、花まる学習会代表、高濱正伸著わが子を「メシが食える大人」に育てる』を参考にお伝えしたいと思います。

自立のために必要な10歳までに養いたい5つの基礎力とは

わが子を引きこもりやニートにしないためには、「メシが食える大人になること」が最大のポイントです。

「メシが食える大人」になるには「自立した人間」になる必要があり、その自立とは経済的自立・社会的自立・精神的自立を言います。

経済的自立とは、自分の力で収入を得られること。社会的自立とは社会における人間関係の中で自分の役割を見つけその役割を担うこと。そして精神的自立とは自分の価値観や人生観を持ち、生きがいを持てることを言います。

この3つの自立は、大人になるまで養い続け獲得していきますが、獲得するためには、自立のための基礎力を養う必要があるのです。

花まる学習会代表の高濱さんは10歳までに5つの基礎力を養うべきだと言いますが、その5つの基礎力とは、

・ことばの力
・自分で考える力
・思い浮かべる力
・試そうとする力
・やり抜く力
のことです。

この5つの力は互いに密接に関係しており、学校さえ行っていれば自然に身につくものだと考えがちですが、実は最も重要なのが家庭における親子関係だと言います。

5つの基礎力を養うために、親として子どもにどんな声掛けをし、どんなサポートをするのかによっても大きく左右されるようです。

そして、この5つの基礎力は小学校低学年までに身につかないと、その後の伸びはほとんどないと高濱さんは指摘しています。

ですから、自立するための基礎力を養うには、10歳までの家庭における親子関係が重要だということですね。

引きこもりやニートにしてしまう親子関係とは

引きこもりやニートを作る原因は、次の3つが影響していると高濱さんは言います。