耐性が身につかない教育環境
「体罰禁止」「対話重視」「誰とでも仲良く」のような聞いていて心地よい教育環境が子どもに耐性を身につけることから遠ざけています。
社会に出れば、これまでの教育思想とは真逆の厳しい競争社会があり、環境のギャップについていけず、ひきこもっていくということなのでしょう。
学校の教育環境はなかなか変えられるものではありません。
ですから、子どもに耐性を身につけさせるためには、できるだけ多くの経験の積み重ねと、環境に応じた対処方法を経験を通して教える親の姿勢が大事だということですね。
正解かどうかだけで物事を考えてしまう環境
勉強や子どもの行動などに対し、正解かどうかだけで物事を判断させてはいないでしょうか。
「その考え方は間違っているからこうしなさい」「その答えは間違っていて、正しいのはこうだ」などと言われ続けると、物事を正解か不正解かだけで判断する癖がついてしまいます。
子どもは正解かどうかだけの世界で育つと、結論や正解に行きつくまでの過程を気にすることがなくなり、試行錯誤して答えを導き出そうとする姿勢が身につきません。
その結果、正解が分からないとすぐさま「自分には合わない」となってしまい、早い段階で諦めてしまう習慣が身についてしまいます。
自分に合わないからすぐに諦めてしまう行為こそが、社会に適応できない引きこもりやニートを作る原因です。
正解かどうかだけではなく、自分が出した結論はこうだが、他人はどうだろうか・・・も気にしながら他人の意見を自分に取り入れる姿勢を持たせることが、自分軸の考えだけではなく他人軸でも物事を考えることができる大人になるためには必要ですね。
万能感を根付かせてしまう環境
子どもは自分の思い通りにならないことが起こると、泣きわめいたり、癇癪を起したりするものです。
親はそんな子どもの姿を見ながら何とか泣きやませようと子どもの機嫌を伺いながら要求を受け入れてしまいがちですよね。
しかし、そういった行為は甘やかしともとられ、子どもに「万能感」を根付かせてしまうことにつながります。
「自分のわがままにも限度がある」ということを幼いころから教え、「万能感」を根付かせないようにすることが必要です。
子どもの頃に「何でも自分の思い通りになる」、「欲しいものは何でも手に入る」などといった思考が身についてしまうと、現実社会とのギャップに耐え切れず挫折を経験した時に立ち直れなくなります。
ですから、子どもの頃に万能感が身につかないよう、親として終始一貫した態度をとることが重要なのです。
このように、「自立のための5つの基礎力」と、「子どもの頃の親子関係」が、我が子を引きこもりやニートにしないためには重要となります。
どちらも養うには10歳までが重要であると高濱さんは言いますが、10歳を過ぎたから今さらもう遅いと諦めるのではなく、伸びは少ないかもしれませんが、諦めないでください。
著者も12歳の子どもがいますが、これまで出来なかったことを悔やんでも仕方がありませんから、日々子どもの自立のために前を見て子どもと一緒に歩んで行こうと思います。
大切な我が子が引きこもりやニートにならないよう、参考になれば幸いです。