続いては個々の試合に焦点を当てていきましょう。まずは桃城・海堂ペアvsジャッカル・丸井ペアのダブルス対決。ボレーのスペシャリストの丸井と、卓越した守備能力を誇るジャッカル桑原、高い身体能力を活かした驚異的な守備力ペアを、桃城・海堂というツンデレコンビがどう攻略するのか。普通に考えると絶対に勝てない対戦カードですが、そこは青学の中でも一際爆発力に長けた“くせ者”コンビ。試合の中で成長し、予想も付かない展開を見せてくれるはずです。ちなみにこの試合がもっとも現実のテニスに近く、いわば準備運動のようなもの。超次元テニスが始まるのはこの後からですので、ここでしっかり心の準備をしておいてください。

 

そしてゴールデン・ペアとしておなじみ、青学の大石・菊丸ペアと、計り知れない実力を秘めた柳生・仁王ペア。こちらは先ほどのダブルスとは逆に、柳生・仁王ペアがいったい何をしかけてくるのかというところに注目です。特に“コート上の詐欺(ペテン)師”と呼ばれる仁王に要注目。この場面を再現するのは地味に難しいと思うのですが、見事に演じていました。

 

次にシングルス。完璧な計算によるデータテニスを得意とする青学・乾と、彼の幼馴染で立海ナンバー3の実力者・柳による対戦。乾は青学の試合においては参謀役として活躍することが多く、必ず試合に出てくるキャラではないので、今回の舞台の中でも見逃せない一戦といえます。対する柳は「達人(マスター)」の異名を持ち、やはり立海の参謀役として活躍する切れ者。因縁の対決をどちらが制するのか、これまでの試合とは少し違ったテニスが楽しめる好カードです。

 

シングルス2の対戦は不二vs切原。青学の天才プレーヤー不二と、猛獣のような危険な香りを放つ切原。静と動、対照的な二人の駆け引きは、どちらに軍配が上がるのか。特に切原は興奮すると目が赤くなって「悪魔(デビル)化」したり、膝を執拗に狙って相手を壊しにかかったりと、色んな意味で斜め上にぶっ飛んだキャラ。そんな切原を演じる原嶋元久は、表情に狂気を込めるのが実にうまい。遠くからだと見づらいかもしれませんが、ご覧になる際はぜひそこにもご注目ください。