「やりたい仕事」を見つけるには「やりたくないこと」をはっきりさせる
もしそれでも「本当にこの仕事をやりたいのだろうか? 続けたいのだろうか?」という疑問を感じるなら、やりたい仕事とは何なのかを考えてみるのもいいかもしれません。
でも、やりたい仕事ってどう探せばいいのでしょうか?
井島さんは、「『やりたい』ことを明確にするのは結構むずかしいのです。『やりたくないこと』『望まないこと』をはっきりさせて選択していくほうが簡単です」と話します。
井島「例えば、
- 日曜が休みじゃないのは嫌
- 通勤時間が長すぎるのは嫌
- おじさんが多い会社は嫌
- 制服がダサいのは嫌
など、嫌だと感じることを出していって、それ以外の仕事に就くといいです。案外、どんな仕事もそれなりにできるもので、仕事そのものにはすぐになじめるものなのです。
ところが、環境とか条件とが気に入らないと不満が蓄積していって、それが『自分のやりたい仕事じゃない』といったように、心の中で“環境や条件のせい”が“仕事内容のせい”にすり替えられてしまいます。
私の若い知人で『街の中のビルの会社で仕事がしたい。ランチタイムを楽しみたい』と転職をし、生き生きと仕事をしている女性がいます。
環境や条件がミスマッチではないか、一度チェックしてみてはいかがでしょうか」
まずは「やれる仕事」をやることが大事
また、井島さんはやりたい仕事を見つけるに当たって、次のようなアプローチも可能だと言います。
井島「はじめから『やりたい仕事』を見つけるのはとてもむずかしいことですが、やれることをやっているうちに『やりたくなってきた仕事』になり『やりたかった仕事かも』と思うようになります。
私がキャリアコンサルティングなどでお話を聞くとき、『やりたいことがわからなくて、しかも私、何もできないんです』と20代後半から30代の女性はよく言います。
そんなとき、『それが普通だよ。やれる仕事をやれば、負荷も無理もかからないからいいと思わない? やれる仕事をして、お金もらって、好きなことができたら、最高だよね。やりたいことって、結構ハードル高かったりするんじゃないの?』と話すことがあります」
まずは「やれる仕事」をやることも大事であるようですね。
「やりたい仕事」ってそもそもどういう仕事?
やりたい仕事を見つけたら、毎日の仕事がどんな風に変わるのでしょうか。
井島「やりたい仕事なら、仕事に対して積極的になることができますし、仕事に対して自分の考えや意見が持てるようになります。アイデアも沸くでしょう。
また、今日、何があったとしても明日また頑張ろうと思えたり、どんなことも勉強・成長と捉えることができたりするでしょう。
下記を良いイメージで描くことができれば、やりたい仕事なのではないでしょうか」
やりたい仕事の目安はこれ!
- やってみて楽しいと思えるかどうか
- 明日もその仕事をしたいと思うかどうか
- その仕事が誰かの役に立ちそうかどうか(顧客の顔が見えるかどうか)
- その仕事を通して知り合いが増えそうかどうか
- その仕事で自分がキレイになれそうか
- その職業や企業名を他人に言えるかどうか
やりたい仕事をいきなり見つけるのは、ちょっとハードルが高いのかもしれません。
まずは「やりたくないこと」をはっきりさせるほうが簡単!
その上で、自分が働く場所を考え直してみてもよいのではないでしょうか。そのうち「やりたい仕事」が見えてくるかもしれません。
【取材協力】井島 恵子さん
株式会社ブロッサムを設立し、コミュニケーションやリーダーシップ等の社員研修を企画・実施している。米国NLP協会認定トレーナーとしての実績と知識を活かし、講師、コーチ、カウンセラーとしても多くの人とかかわってきた。互いに影響しあい、気づきを得ることが最高の幸せだと思っている。