今年はコロナ禍の影響で新学期からしばらく休校が続いたせいで、土曜にも授業をしたり、詰め込み教育が加速している印象を受けます。
子どもたちの勉強の遅れを心配する声もあるにはありますが、子どもたちからは「勉強がつまらない」「学校は疲れる」という声も。
「勉強はさせたいけど、あまり負担になってはかわいそう」
親としては、どうせだったら効率の良い勉強法をさせたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
効率が良いとは、無駄を省くということです。
菊池洋匡著『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の成績に最短で直結する勉強法』を参考に、子どもにさせたい効率の良い勉強法、やっても意味のない今までの勉強法について説明していきます。
非効率な勉強法とは?
子どもが小学校に通うようになって、学校のあり方が昔と変わらないことに驚いたというママの話を聞いたことがあります。
たしかに、子どもたちのやらされていることの中には、今では科学的な見地では意味のないとされることも多々あるようです。
『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の成績に最短で直結する勉強法』の著者・菊池洋匡さんによると、以下のような勉強法は科学的に非効率とわかっている勉強法なのだそうです。
- 漢字の書き取りを10回も20回もする
- ノートを清書する
- 教科書に蛍光ペンで色をぬったり、アンダーラインを引いたりする
- テストの前日に徹夜で勉強する
どれも特に疑問を持たずにやってきたことで、今も多くの子どもがやらされていることばかりではないでしょうか。
ノートをきれいにとったり、大事なところにアンダーラインを引くと「勉強したような気」にはなります。
ですが、いざテストになって、覚えたはずの事柄が思い出せなければ何の意味もありません。
短期集中での勉強や頭を使わない暗記作業的な勉強ではなく、しっかりと学んだことを定着させ、大きな試験でも力を発揮できる子どもにするためには、根本的な学習の仕方の改善が必要になります。
漢字の書き取りはやっても無駄
子どもの宿題というと、昔ながらの書き取りがいまだに健在です。
何回も書き続けるうちに、何を書いているのかわからなくなってくる感覚、ママ世代にはなつかしいのではないでしょうか。
ですが「あれって意味あるのかな?」と疑問に思っているママも多いかもしれません。
その疑問、正解です。初めて見る文字なら何度も書いて覚えるやり方は有効で、たとえばアラビア文字などを覚えるのには有効です。
ですが、漢字はモノの形から生まれた象形文字、絵では表現しにくい物事の状態を点や線を組み合わせることで表した指示文字など、意味があって成り立っているものがほとんど。
また、学年が進むにつれ、偏(へん)と旁(つくり)の組み合わせでできた漢字が増えて、まったく初見の漢字は減ってくるのです。
ですから、漢字の書き取りを延々と10回も20回もやらせるのはまったくのナンセンスで、時間の無駄ということになります。
なにより、ただ同じ文字を書き続けることに楽しさを見出せる子どもはほとんどいないのではないでしょうか。
苦痛な経験は、早く忘れたいと思うのが人間ですよね。漢字の学習は、楽しく覚える工夫の方が書き取りよりも効果的です。