普段の我が子の食事。栄養や美味しさだけでなく、「食育」の観点から大切なことを教えてあげたいと思っていませんか?
そこで今回は、そのヒントを得るために、食育に力を入れている保育園にインタビューしてみました。その保育園とは、株式会社あしたばマインドが運営する、東京・神奈川にある明日葉保育園。
明日葉保育園で実施している食育や、おうちでできる食育は? そして子どもの食事悩みについてのアドバイスなど、気になる内容をうかがいました。
明日葉保育園の「食育」の工夫
明日葉保育園では、食育に力を入れています。
学校や保育園、病院で給食を提供する給食会社としての実績や、早くから食育の重要性に着目してさまざまな食育プログラムを開発してきた実績があり、保育園の給食にも工夫がいっぱい!
管理栄養士、栄養士、調理師などの食育のプロの協力により、栄養、健康、調理、食材に関することなど、親子に楽しい食育プログラムを提供しています。
その保育園での食育の工夫の中でも、おうちでも真似できそうな内容をピックアップしてみました。
- 調理済み食品の使用を避け、素材からの手作りの食を提供する
- 出汁を丁寧にとり、薄味に慣れ、食材それぞれの素材を味わえるようにする
- 和食の伝統に則った正しい位置に配膳する
- 自分で食べようという意欲を大切にして、「手づかみ→つまむ→スプーン・フォーク→箸」を身につける、適切なタイミングを見計らいながら進める
- 「ばっかり食べ」ではなくバランス良く食べるように声がけをする
- 食事介助をする際は、複数の品をグチャグチャに混ぜて与えるのではなく、一品ごとの味を味わえるように、一品ごと口に運ぶ
- 食卓での望ましい会話のお手本を職員が示し、「おいしいね」「これおいしいよ」と食事を楽しめるようにする
このうち、気になる項目について明日葉保育園の担当者に解説してもらいました。
――「調理済み食品の使用を避け、素材からの手作りの食を提供する」のはなぜですか?
明日葉保育園の担当者(以下、担当者)「添加物の最小限にすることが可能になるとともに、味の濃さも調節できます。
味覚形成時だからこそ敏感に感じ取れる、大切な素材そのもの味を、子どもに味わってもらうことができますし、食材本来の硬さや香り・味・食感を楽しんでもらうことにもつながると思います」
――食事介助をする際は、複数の品をグチャグチャに混ぜて与えるのではなく、一品ごとの味を味わえるように、一品ごと口に運ぶのはなぜですか?
担当者「理由は2つあります。一つは、お米の味、お味噌汁の味、和え物の味、お肉の味…といったように、一品ごとの味を知るため。それぞれの品はそれぞれの食材の味が活かされた状態で調理されています。
そのメニューの味を味わう、つまり料理を知ることが食事への興味関心へ大きな影響を与えると思います。
二つ目は、混ぜ込んだ状態で食べることで、何を食べたのかが子どもが認識できなくなってしまうとともに、苦手な食材を食べても達成感が味わえなくなってしまうことにもつながる場合があるためです。
苦手な食材でも、食べたことへの達成感を味わうことで、食への自信と安心を子どもたちに体験させてあげることも、一つのアプローチ方法であると考えています」