4.被害妄想の多いママ友

自分のことをあたかも否定されているかのように勘違いするママ、いませんか? 一番、対応に困るタイプかもしれません。

冨澤「被害妄想が多い方のお話を聴くのは、話を聴くほうも辛くなってしまう場合も多いですよね。ついつい意味もなく、『そんなことないって』『考えすぎだよ』など、その妄想を一蹴してしまいがちです。

傾聴の話の聴き方は相手の気持ちに寄り添い、受け容れることにあります。

こんなときには、まずは相手のママ友の良いところを見つけてあげて、『周りに気遣いができるからこそ、気になるんだよね』『細やかな気配りができるから心配になるのかもしれないね』など、褒めてあげることや気持ちに寄り添う言葉をかけてあげることから始めてみましょう。

5.「あなただけに相談するね」と言うママ友

「ここだけの話だけど」「誰にも言ってないんだけど」「あなただけに話すけど」などと言うけれど、実際には、他のママ友にも話している気配のあるママ友。どんな風に聴けば良いのでしょう?

冨澤「他の人にも同じことをしていると知ったら、ママ友のことを信用できなくなってしまうこともあるかもしれません。

ですが、傾聴の話の聴き方では、自分の価値観でジャッジをせずに、まずはその『相談』をなぜあなたにしてくれたのか、その気持ちにフォーカスした言葉掛けをしていきます。

例えば、『誰に相談して良いか分からなかったならしんどかったね。私に相談してくれて嬉しいよ。』などママ友の気持ちをほぐしてあげる言葉を伝えていきましょう」

モンスターママに出逢ったら…

今回、例に挙げたように、ちょっと付き合いづらいモンスターママと、日常的に出逢うこともあるでしょう。子どもの園が同じだったり、習い事が同じだったり、ご近所さんだったりすると、付き合わないわけにはいかないもの。そんなモンスターママ友とうまくやっていくにはどうすればよいのでしょうか?

冨澤「ママ友とのお付き合いは、うまくやらないと、子どもにも影響が及んだらどうしよう…などと、悩みも深くなってしまいますよね。ただ、人の価値観はそれぞれです。コミュニケーションがうまくいかない原因は、多くの場合は自分の価値観と合わないことが原因です。

傾聴の話の聴き方では、自分の価値観で相手の話をジャッジしないことをするのですが、価値観の合わない相手だと感じても、その人にはその人の価値観があり、どんな価値観であっても否定をせずに、気持ちにフォーカスをすることで解決されます。

モンスターママと接するときにも、その人からの言葉や振る舞いに、自分の感情を振り回されることなく、その人がそのような言葉を発する理由や、その人の気持ちにフォーカスをしてみましょう」

傾聴を活用すれば、どんなママ友ともうまくやれそうな気がしてきます! 周りにモンスターママ友がいるなら、ぜひトライしてみましょう。

【取材協力】冨澤 理恵(とみざわ・りえ)さん

傾聴コミュニケーション協会代表理事。
フリーアナウンサーとして20年以上活動。2014年より傾聴のスキルを取り入れた講座を開講。企業・行政・専門学校などで、傾聴を取り入れた講義を5,200人以上の方に伝授。傾聴を取り入れた「優しい社会」の確立を目指す。