「好き嫌いしないで何でも食べる元気な子」、「友達と仲良くできる優しい子」、「何事も努力。嫌なことから逃げてはいけない」どれも正しく見えますよね。
でも、それを強行に推し進めることは、子どもにとってどうなのでしょうか。
『1人でできる子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。
栄養士からもらったあるアドバイス
肉嫌いな子ども
ある子どもがいました。肉や魚が苦手です。チーズなども乳製品も好みません。でも、これらを食べさせなくては、筋肉や血を作る元となる蛋白質が不足してしまいます。
そこで、代わりに蛋白質不足を補おうと、ママは納豆や豆腐を食べさせていました。そのことを栄養相談に行ったとき管理栄養士に相談したところ…次のように言われてしまいました。
「タンパク質は動物性と植物性があります。大豆製品だけだと、動物性たんぱくが不足してしまいます。
肉や乳製品と大豆製品からの両方から毎日とらないとダメですよ。肉や魚は片栗粉を付けて、油で揚げたら食べやすくなりますから」
野菜嫌いな子ども
野菜が苦手な子どもがいました。唯一食べてくれるキャベツばかり与えていたら、次のようにアドバイスを受けました。
「野菜は人参やほうれん草などの緑黄色野菜からとキャベツ、大根、白菜などの淡色野菜の2種類から毎日とってくださいね」
このママは料理があまり得意ではありませんでした。それでも苦手ながら一生懸命、手間暇かけて作りました。ところが一向に食べてくれない我が子。
ついイライラして小言が多くなってきました。
そして「残さず食べなさい!大きくなれないよ!」とちゃんと食べているか鬼のように見張っている食卓となりました。食事の楽しみよりも栄養優先、「野菜は足りているか」そんなことばかりが気になっているママでした。
こうすることで好き嫌いなく何でも食べられるようになる子もいる一方、強要された食材が大人になっても食べられなくなってしまう子もいます。また、必死にならなくても、いつの間にか成長と共に偏食が治る子も多くいます。
あまり食事中、怒ってばかりいると「食事中はママがいつも怖い顔をしていた」という記憶が残ってしまいます。