つい甘やかしてしまった、ついイライラして強い語調になってしまった、というママの声はよく耳にします。
「毒親」とまではいかないものの、なんとなく罪悪感を感じてしまいますよね。
ママたちは後悔しているからこそ、「つい」という言葉を使っています。では、実際、そうした行動は、どう子に悪影響を与えるのでしょうか?
息子2人を京都府立医科大学医学部に現役合格させた、日本心理学会認定心理士の藤田敦子さんに、自身の子育て術「ぺたほめ」の観点から、親の行動が与える子どもへの影響についてインタビューしてお聞きしました。
よくあるママの“つい”やってしまう行動。これってあり?
多くのママたちは、次の行動に罪悪感を持ちがちです。実際のところ、子どもの将来を考えるとよくないのでしょうか? 藤田さんの意見を伺いました。
1.つい甘やかしてしまう
藤田敦子さん(以下、藤田)「甘やかしてしまったり、ママがやってあげてしまったりすることはよくあることですよね。
その場合、あたかも子どもがしたように見せかけて、ママが手伝ってあげるのは良いと思います。それが次の『できる』につながれば、良い結果となるためです。いつまでも成長しない甘やかしなら、見直したほうがいいでしょう」
2.イライラして必要以上にきつい口調になってしまう
藤田「ママが機嫌が悪いとき、きつい口調になる場合、子どもは毎日、まず『今日のママの機嫌』を伺うようになります。
すると、ママに怒られないような行動しかしなくなるので、チャレンジ心が育ちにくくなります。なぜならチャレンジには失敗がつきものだからです。
また『怒られるかも』と思うと嘘をつくようにもなります。『うちの子は嘘をつくの。どうしてかしら』と悩むママは、自分がいつもイライラして怒ってばかりいるのかもしれません。
まずは自分の言動を見直し、言い過ぎてしまったときは、素直に子どもに謝る。『ママは言い過ぎてしまった。ごめんね。』と、ママが素直に謝る姿を見せてあげると、子どもも謝ることができる子に育ちますよ」
3.子どもの話を無視する・聞き流す
藤田「子どもの話は、家事をしている手を止めてでも聞いてあげてください。無視したり、聞き流したりすると、だんだん子どもは『ママは何を言っても聞いてくれない』と思ってしまい、何も言わなくなってしまいます。
学校や幼稚園などで嫌なことがあったとしても、早めにママに言うことで、いじめなどに巻き込まれる前に防ぐこともできます。
でも子どもが『ママは聞いてくれない』とあきらめて言わない場合、大変な事態になってはじめてママが気が付くということにもなりかねません。
何でも言える、聞いてあげる環境を作ってあげてほしいと思います」