「玩具片づけなさい!」「早く寝なさい!」「零さないで食べなさい!」。毎日毎日、年中無休の“怒り屋”になって注意しているのに、子どもの行動がちっとも改善しないことってありませんか?
きっと何が原因があるはずです。
ブランコや滑り台の順番を待てない。スーパーでお菓子を欲しがる。
毎回毎回、「順番を守りなさい!」「お菓子は買わないからね!」と叱っても行動が改善しないのは、もしかして、注意する側の親の工夫が必要なのかもしれません。
『一人でできる子になるテキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。
子どもが言うことを聞かない理由
1.ハードルが高すぎる
子どもがそこまで至っていないのに、親が求めるハードルが高いのかもしれません。
甘い物や色のついたお菓子、テレビのコマーシャルでやっているスナック菓子などのたくさんの誘惑があるのに、一切禁止されるのは子どもにとっては辛いです。
こんなときはハードルを下げてみましょう。
例)毎回お菓子を買ってほしいとぐずる場合
- 家に保管してあるお菓子を見せて、「おうちにこれだけあるから、今日は買う必要はないのよ」と説明する。そして「お家にある、この棚のお菓子がなくなったら新しいのを買おうね」と伝える。
- 毎日はダメだけけれども、週2回はお菓子を買ってよい日にする。
- お菓子はだらだらと好きな時間には食べさせずに、夕飯後、あるいは3時のおやつの時間だけに食べる。
高すぎるハードルよりも、ちょっと自分が頑張れば我慢できる低いハードルを与えることにより、段々と出来るようになりますよ。
2.言葉が正確に伝わっていない
まだ、生まれて数年の子どもは人生経験が短いです。ですから、抽象的なニュアンスだとしっかり伝わりません。
例えば、「早くしなさい!」「食事中はお行儀よく、ちゃんとしなさい!」と連呼してい親はとても多いのですが、果たして子ども側は具体的にどう行動すればよいかわかっているでしょうか。
実は子どもは「早くするとは具体的にいつまで?」「行儀よく?ちゃんと?具体的にはどうすること?」という状態になっています。
そんなときは「100数える間に片づけよう」「ご飯を食べるときは足を下ろそう」と言った方がわかりやすいですね。
例)順番を守れない場合
これと同じで公園の滑り台の順番を守れないときは、「順番をきちんと守りなさい!」ではなく…
- 太郎君が滑って、花子ちゃんが滑って、その後だからね、と伝える。
- 3人目だからね(または3番目だからね)、と伝える。
この方が見通しがはっきりするので、子どもは待っていることが出来ます。
大人だって病院の順番待ちも、「只今混んでいて待ち時間が長くなります」よりも「只今、40分待ちです」と言われた方が待てますよね!これと同じです。
3.できないときだけ叱って改善しても無視している
悪い行動をしたときだけ目についてしまいネチネチと叱り、良い行動をしているとき無視していませんか?
例えば「出されたものは残さず食べなさい!」「帰ってきたら先に手を洗いなさい!」「玩具を片づけなさい!」「喧嘩は止めて!仲良く遊びなさい!」と注意するばかりでこんな風になっていませんか?
- ×ご飯を残さず食べたとき特に何も言わない
- ×言われなくても手を洗っていても無視
- ×玩具を片づけているときは特に何も言わない
- ×兄弟げんかしていないときは無言
これですと子どもにしてみれば、せっかく努力しているのに、その改善している行動を認められることはないわけですから、元の状態に直ぐに戻ってしまいます。
叱ったり注意して、その直後に行動が少しでも改善したら、「残さず食べたね」「自分から手を洗いに行って偉いね」「ママに言われなくても玩具片づけられたね」と褒めたり、認めてやりましょう。