台湾で朝市や屋台を巡り、つまみ食いをしていると、台湾グルメのなかでスイーツがかなりのウェイトを占めていることに気づく。
台湾人は屋台などをはしごしながら軽食を少量ずつ食べることに慣れているため、間食を含めると1日4回も5回も食べていることになるのだが、そのうち1回はスイーツを食べる人が多い。
これは、台湾の伝統スイーツが甘さ控えめで、身体にやさしいことも理由だろう。この夏、台湾での食べ歩きプランに加えたいスイーツを7つ紹介しよう。
牛奶冰(ニョウナイビン)
牛奶はミルク、冰は氷を指す。つまり、牛奶冰とはミルクアイスのこと。アイスクリームとかき氷の中間のような食感で、アイスクリームのように滑らかだが、かき氷のようなシャリシャリ感もある。台南の「新一二三冰城」でしか味わえない独特な味だ。
ベースとなるミルクアイスよりもさらに衝撃なのは、卵の黄身がトッピングされていること。黄身を割ってアイスと混ぜながら食べると、アイスが一段と濃厚でまろやかになる。
冷たすぎず、甘すぎないミルクアイス。1人前でも山盛りだが、案外ペロリと食べられてしまうので、数人で訪れたら味やトッピングを変えていくつか注文すると楽しい。
新一二三冰城(シンイーアーサンビンチェン)
台南市長栄路四段58巷20號 TEL:06-2341151
14:00~25:00 月曜休
蓮子白木耳(リェンズバイムーアー)
キクラゲというと中華料理の炒めものに入っている黒いものを想像するが、台湾では白キクラゲも一般的だ。
白キクラゲは主にスイーツに使われる。蓮の実、ナツメ、白キクラゲを甘いシロップで煮込んだスープは一年を通して台湾女子に人気のスイーツ。冬は温めて、夏は冷たくして飲む。
白キクラゲは美肌効果抜群でありながら、低カロリーなので女性の大好物なのだ。コリコリとした食感で、それ自体にはあまり味がないが、蓮の実とナツメはほんのり甘く煮込まれているので全体に甘さ控えめのスイーツという印象。台北の迪化街などの乾物街には乾燥した白キクラゲも売っているので自作もできる。
九龍豆花蓮子專賣店(ジョウロンドウホァリェンズズァンマイデェン)
台北市中正路235巷10號 TEL:02-28810958
11:00~23:00 無休
豆花(ドウホァ)
おなじみの豆乳プリン、豆花。市場や夜市など、どこでも食べられるだけに、自分のお気に入りの味を見つけるとうれしくなる。
筆者が最近、台北市内の朝市で見つけたのは親子で営む豆花屋台。母親と大学生の娘と高校生の息子の3人が、なかよく笑顔で接客する姿が微笑ましい。聞けば、夏休みのあいだは毎朝、姉弟で母親の屋台を手伝っているという。
この屋台の豆花は豆腐を固めるために台湾でよく使われている石膏やケミカルなものを使っていない。このため、やわらかく、体にやさしい豆花ができるのだとか。ほどよい甘さが夏の朝にふさわしい。
冷たくて甘い豆花で糖分を補充すると一日を元気に乗り切れそう。
無名の豆花屋台
台北市延平北路二段247巷5號前(太平市場の延平教会前) TEL:なし
05:30~13:00頃 無休
泡泡冰(パオパオビン)
台湾で美味しい伝統スイーツを見つけるには、古くて漢字ばかり書いてあるあか抜けない看板を目印にするといい。
有名な士林夜市のそばに華栄街市場という朝市がある。この朝市の入口付近(中正路沿い)にサンタクロースのキャラクターが描かれた看板を掲げるアイスクリーム店がある。
泡泡冰とはシェークのような、ソフトクリームのようなスイーツ。一番人気のピーナッツ味は濃厚で、ピーナッツバターを思わせる香り。一口食べるとクセになりそう。
ほかにもこの店では仙草ゼリーと呼ばれるコーヒーゼリーのような真っ黒いゼリーを扱っている。本来ならば苦い食材なのだが、クリームや台湾独特のタロイモとサツマイモの団子でトッピングすると食べやすくなる。解熱作用があるので暑い日の食べ歩きに最適だ。
以利泡泡冰(イーリーパオパオビン)
台北市華栄街4號 TEL:02-28361826
12:00~22:00 無休