伝統スイーツの店でひと休み
艋舺公園の西側へ回ると、「三六圓仔店」という菓子の店がある。店先にはお供え用のお飾りや饅頭が積み重ねられているが、お汁粉やお餅といった台湾伝統スイーツの老舗でもあるので、おやつタイムに利用できる。
台北東部のカフェのような洗練された雰囲気はないが、何十年も変わらない味のピーナツ汁粉やお餅が食べられる。柔らかく煮込まれたピーナツの甘い汁粉にはお粥店などで見かける油條(揚げパン)が実によく合う。
油條を温かい豆乳に浮かべて食べても美味しい。
生活感たっぷりの「東三水街市場」
「三六圓仔店」のある路地で、公園を背にして西へ進み、路地を抜けたところで康定路を渡ると、「東三水街市場」の看板がある。
三水街という長い通りに沿ってアーケードになっている伝統市場で、中に入ると左右に野菜や精肉、衣類や雑貨などがところ狭しと並べられている。中央の通路は人がすれ違うとカバンがぶつかるような狭さだ。
週末や旧正月前などは大いに賑わうので一見の価値ありだ。揚げ物や果物などの店では味見もさせてもらえる。艋舺の一等地にあるこの市場は日本時代に作られたものだが、今も昔も界隈に暮らす人々の台所として現役だ。
(つづく)
2月27日(土)本コラム筆者:光瀬憲子の「映画ドラマ吹替翻訳講座」開催
コン・ユ主演の映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』やイ・ビョンホン主演『天命の城』、イ・ヨンエ主演のドラマ『師任堂、色の日記』などの韓国作品をはじめ、ネット配信されている北京語や英語コンテンツの吹替翻訳を担当した本コラムの筆者が、字幕翻訳とはひと味もふた味も違う吹替翻訳の仕事のおもしろさについて語ります。
アジアの映画やドラマに出てくる言葉に関心のある人や、得意な語学をいつか仕事に活かしたいと考えている人におすすめです。