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コンパクトなおひな様が人気

現在は住宅事情もあり、コンパクトに飾れる親王飾りや小さなお飾りが人気です。

手乗りサイズでも本格派のひな人形を2つご紹介します。

とのとひめ ©ここかしこ

とのとひめ

可愛らしいお顔で品のよい、手のひらに乗るほどの小さなおひな様です。

収納箱と飾り台を兼ねる美しい国産桐箱は、A4サイズより少し大きめの幅34cm奥行き22cm、高さ11センチ。コンパクトさと本格派を兼ね備えています。

製作は、東京・松崎人形。ご当代の松崎幸一光さんは日本工芸会正会員、数々の受賞歴をお持ちの現代の名工。

日本で唯一、「江戸木目込人形」と「江戸節句人形」(衣裳着)の両方の伝統工芸士さんとしても知られています。

その作風は、品よくふくよかなお顔と、古風で抑えの利いた愛らしい色合わせが特徴。

「飽きが来ず、長く飾っていただけるように」という代々のスタイルを貫いています。

人形本体と同じように、どんどん作り手が減り製造が困難になってきているのが雛道具です。屏風は、東京都墨田区・片岡屏風店謹製。江戸からかみの刷りはとても美しく、かつ小さな細工が難しい逸品ですが、細部まできっちり作りこむ端正さには背筋が伸びます。

花橘はさいたま市の岡半により、一輪一輪すべて手作業で作られています。丁寧な手作りだからこそ小さな世界がぐっと引き立ち、透明感と奥行きと心地よい緊張感が空気を作ります。

ぼんぼりと行器(ほかい)は、こちらも伝統工芸の駿河雛道具。さすがの品質、美しい存在感です。

とのとひめの詳細は、さまざまな「祈り」のキッカケを紹介するここかしこの公式ページ「とのとひめ」をご覧ください。

ここかしこの立ち雛

ここかしこの立ち雛 ©ここかしこ

昔ながらの素材・技法による伝統的工芸品指定の「江戸木目込人形」です。

女雛は、身長13cm。可愛らしいサイズでありながら、これ以上ない正統派の存在感が重厚です。すべてを納める桐箱は、A4より小さい幅25cm弱に奥行き19cm弱、厚みはなんと10cm。総重量もわずか690gです。

「できるだけコンパクトな本物」をお探しならばこちらがぴったりです。飾るときは、女雛の方を少しだけ前に出すと、バランスがよくなります。

品のよいお顔は、角度によって様々に表情を変え、飽きることがありません。
お人形は、小さいほどに作るのが大変ですが、細部まで丹精込めて丁寧に、お人形用に吟味された絹織物を木目込んでいます。

付属する屏風も、小さいながら「本屏風」仕立て。板状のものに和紙を貼った簡易的なものではなく、きちんと骨組みを組んで和紙を重ねて張り合わせる本物の作り方をしています。

「ひな人形」の起源は、もともと、祓(はらい)の形代(かたしろ)が人形化したもので、紙でできた簡素な姿をしていました。「紙びな」とも「神びな」とも言われ、男女一対の立ち姿をしていたので、いつしか「立ち雛」とも呼ばれるように。

江戸時代を経て、さまざまなひな人形が作られるようになりましたが、「おひな様」といえば、古風なこの立ち姿を思い浮かべる方も多いそうです。

ここかしこの立ち雛はここかしこの公式ページの「ここかしこの立ち雛」にてご確認ください。

次女、三女のひな人形はどうする?

ひな人形は子どもの代わりに厄を背負ってくれるといわれています。そのため、本来は子ども一人ひとりがそれぞれのひな人形を持ち、別の人から譲ってもらうこともあまりよいこととはされていません。

とはいえ、飾るスペースや予算など現実的には人数分のひな人形を飾るのは難しいもの。たくさんのひな人形を飾れない場合は、市松人形やミニびなを飾ってもよいでしょう。

おひな様を飾るときの注意点

親王飾りやコンパクトなひな飾りは家の中のどこにでも飾ることはできますが、「窓際」は避けましょう。窓際は湿気が多く、当然日光も受けてしまうので、お人形が劣化してしまう原因となります。

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ひな祭りは女の子の健やかな成長を願うお祝い。この日を迎えられたことを感謝しつつ、楽しく過ごすのが一番ですが、その由来やおひな様のことを知れば、パパやママの想いと一緒に子どもに伝えることもでき、もっとこの時間を大切に思うことができるかもしれません。

また、もし来年、初節句を迎える予定の女の子がいる、ちょうどいいおひな様を探している場合などは、ぜひ今後のひな人形選びの参考にしてみてくださいね。

また素敵な1年を過ごせますように。

※「お内裏様」「おひな様」という言葉は、それぞれ男性の雛と女性の雛の一対を指す言葉ですが、現代においてはお内裏様は男雛、おひな様は女雛との認識が広がっていますので混乱を防ぐため、当記事の本文では男雛を「お内裏様」、女雛を「おひな様」と表記しています。

<参考>
人形辞典:ひな祭りの歴史
雛人形(ひな人形)・五月人形の吉徳
倉片人形
五色 雛人形・五月人形の原孝洲
人形の東玉
五節句について
桃の節句に向けてPreferの雛雑学
くらしメイド | DCM
お雛様の種類かんたん解説と、作り手・松崎さんのこと。
伝統の木目込み雛人形・五月人形・浮世人形|真多呂人形公式
人形工房ふらここ

FMラジオ放送局、IT系での仕事人生活を経て、フリーランスモノ書き。好きなものは、クラゲ、ジュゴン、宇宙、絵本、コドモ、ヘンテコなもの。座右の銘は「明日地球がなくなるかもしれないから、今すぐ食べる」。木漏れ日の下で読書と昼寝をする生活と絵本に携わることを夢見て、日々生きています。