コロナ禍で身動きがとりにくい今、急な通夜・葬式参列の必要が出てきたとき、着ていくものや対応方法に戸惑いを感じるものです。また参列中の感染対策も不安があります。
そこで今回は葬儀マナーに詳しい、株式会社グランディメモリー代表取締役社長で、葬儀マナー研修や講師も務める木野島光美さんに、急な訃報に際して起こりがちな悩みについての解決策を教えていただきました。
コロナ禍のおくやみマナー Q&A
ニューノーマルな生活の中での訃報。そして通夜や葬儀への参列に際しては、さまざまな悩みや不安が起きるものです。その解決策を教えていただきました。
訃報が入ったら、まずはどのような対応をすれば良いですか?
木野島光美さん(以下、木野島)「いま、コロナ禍で家族葬が増えています。お世話になった方の訃報を聞いたら、まずは弔問して良いかの確認をしましょう。
家族葬では、故人の家族や近親者のみで行われるケースが多く、一般の方を招かないケースが多くあるためです」
急なことで喪服の用意がない場合、何を着ていけば良いですか?
木野島「喪服がない場合は、略喪服としてリクルートスーツでも大丈夫です。
リクルートスーツがない、または昔着用していたものがあるが、サイズが合わないといった場合は、華美なボタンや飾りがついていない黒のジャケットに、黒のスカートまたはパンツでも良いです。靴は飾りのない黒のパンプスを。
バッグも同様に黒、ない場合はブラウン系の落ち着いた色合いのものが適切です。また、できる限り数珠は用意しましょう」
冬は喪服の上からコートを着てもいいのですか? NGなコートはありますか?
木野島「コート着用はもちろんOKです。ただし、華美なもの、派手な色合い、毛皮のものはNG。派手なものしかない場合は、会場に入る前に脱ぐようにしましょう」
幼児の喪服は、どのようなものが良いのでしょうか?
木野島「幼稚園以上のお子さんなら、幼稚園の制服を。制服がない場合はネイビーや茶系など、地味な色合いの洋服がベターです」
マスクの色や柄はどうすれば良いですか?
木野島「おしゃれをする場ではないため、基本は白がベストです」
葬儀中に心がけたい感染対策
通夜や葬儀に参列する場合にも、感染対策は徹底しなければなりません。コロナ禍における葬儀会場の感染対策はどうなっているのでしょうか? また、どのように対策すれば良いでしょうか?
木野島「葬儀会場は、感染対策を徹底しています。受付前では検温があります。また、除菌スプレーは各所に置かれていますので利用しましょう。
椅子席もディスタンスが十分に取られていますので、安心して弔問ができます。またマスクは終始着用し、式前後で知り合いとの会話をできるだけ慎むことを心がけましょう」
参列できない場合は?
ところで、コロナによる何らかの影響で葬儀に参列できない場合には、どのように辞退をすればいいでしょうか。
木野島「相手との関係にもよりますが、電話、メールなどのツールを使っておくやみの言葉を伝え、コロナ禍のため、参列は辞退させていただくことを正直に丁重に伝えましょう。
また、遺族側もコロナ禍においては親族以外の参列を逆にお断りしているケースがほとんどです。参列しない場合には、おくやみの言葉とともに気持ちを伝え、後日、故人のご家族宛てにお花やお線香をお送りするのもいいでしょう」