ラーヤに学びたい、今を生き抜く力
幼少期の辛い出来事によって、誰の事も信用できなくなり、たった1人で戦い続けるラーヤ。
周りの助言にも耳を貸さず、目的のためブレない信念で突き進む彼女は、まさに新たな時代のヒロインだなという印象を受けました。
そんなラーヤが、最後には"人を信じる心"で世界を救うのですが…
それを「ミュージカルナンバーに乗せて、良い曲の雰囲気の中でフワッと語る」のではなく、きちんと旅の途中で成長し、自らの決断で、行動を持って示してくれたんですよね。
だから何と言うか説得力があり、結末にも彼女自身にも、信頼が置けるんです。
まるでコロナウイルスのようなドルーンの存在
人々を飲み込み、恐怖や不安に陥れ、人々や国同士の繋がりを絶つ存在である、ドルーン。
我々の生活に置き換えてみると、長く続く自粛生活でつい、荒んだ気持ちになる事もあるし、もし自分がウイルスを持っていたら…なんて疑心暗鬼になる事も、少なくないと思います。
こんな今だからこそ、もしかしたら今まで当たり前すぎて軽視していた、人との繋がりって、すっごく大事なのかも。
ありきたりで陳腐かもしれないけど、絆や信じる心、人との協力や思いやる心って、立ち返ってみるとやっぱり基本的かつ、普遍的なものなんだなと、本作で感じさせてくれた気がします。
もちろん、ただやみくもに信じるだけではダメで、実際に先陣を切って行動を起こし、ブレない信念で実行した、ラーヤの行動力があってこそ。
決断力や信念、行動力が伴ってこその気づきというか、学びだと思うし、行動を持って私たちに"普遍的な信じる心"を思い出させてくれたラーヤの事が、大好きになってしまいました。
魅力的な相棒シスー
ラーヤと並びお気に入りキャラクターになった"伝説の最後の龍"の、シスー。
ユーモアに溢れ、ところどころでクスリとさせてくれる、とってもお茶目な存在です。
こんなにノリツッコミが上手いキャラクターは、『アラジン』のジーニー以来かもしれません(笑)
すぐ人を信じてしまうシスーは、自分の考えをそれとなくラーヤに助言するのですが、彼女の信念はブレません。
ですが物語の終盤、最終的に彼女がシスーとの対話や、共に過ごす時間の中で、自分自身で解決策を導き出して、最後に決断を下した描写がとても良かった。
結果、シスーの存在そのものが、最後の最後にラーヤを導いてくれたんですよね。
そしてやっぱり、ラーヤからの学びが多い!
ラーヤの、人の意見に流され過ぎず、でもきちんと受け止めて影響を受けて、自分で考える力って、これからの世の中、すごく大事なことだと思います。
「伝説の龍が言うことだから間違いない!」って盲信し過ぎないところ、格好良いですよね。
特に今のような情勢だと、ネットや噂や色んなところで様々な情報が飛び交い、時に何を信じれば良いか、わからなくなる事もあると思います。
それでも、飛び交う情報を丁寧に自分で消化して、きちんと選び取って、自分で考えて決断できるような人間になりたい。
キッズはもちろん、大人たちにこそ、ラーヤから学べる事がある気がします。
シスーだけでなく、総じてラーヤを取り巻くキャラクターが、それぞれとても魅力的だった本作。
「脇キャラが魅力的な作品こそ、ディズニー作品の真骨頂だ」が、持論ですが、この点でもとってもお気に入りの作品になりました!
『ラーヤと龍の王国』
2021年3月5日(金)映画館 and ディズニープラス プレミア アクセス 同時公開
※プレミア アクセスは追加支払いが必要です。