2021年3月5日(金)公開のディズニー最新作『ラーヤと龍の王国』は、どこか昨今の情勢と重なる"分断された世界"に、普遍的なテーマを持って、温かい絆を繋いでくれる物語。
学びと気づきに溢れながらも、爽快感に溢れる本作は、こんな時代の"今"だからこそ絶対に観たい。
ラーヤが示してくれた"今を生きる力"と、勇気を与えてくれた"新たなヒロイン"たる魅力を、ご紹介します。
分断された世界を救う“最後の希望”
触れるものすべてを石に変える邪悪な魔物、ドルーンによって分断されてしまった、龍の王国"クマンドラ"。
人々を守っていた龍は滅び、国民も信じ合う心を失い、国は5つに分かれ、いがみ合うようになってしまいます。
龍の石の守護者一族の娘、ラーヤは、バラバラになった王国を救うため、伝説の“最後の龍”を探す旅へと出発。
旅の果てには、今を生きる私たちに勇気を与えてくれる、ラーヤの行動力と、今だからこそ信じたい、普遍的なテーマがありました。
新たな時代の"ハッピリー・エバー・アフター"
捉えようによってはネタバレになってしまうかもしれませんが、『ラーヤと龍の王国』は、超ハッピーエンドです。観終わった後の爽快感が凄い。
物語全体を通しての進み方なんかも、良い意味で捻りがなさ過ぎず、王道は王道なのでストレスもなく、見ていて気持ち良いんですよね。
飽きさせずにサクサク進むストーリー、テンポの速い展開に、瞬きなしで夢中で見られる感覚も嬉しい。
今の時代に求めていた結末
するすると欠けたピースが埋まって行き、最後には全てが上手く行って、「ああ、良かったね!めでたしめでたし!」な、爽快感で終われる作品。
個人的にですが『シュガー・ラッシュ:オンライン』『アナと雪の女王2』と、最後には主人公が別々の道を選ぶ結末の作品が続いていたので、逆に冒頭で分断された国と人々が、再び絆を繋いで行く物語は、見ていて気持ちがよかった。
2人が離れる意味や理由を探し続けた前作2作と違い、観終わった後、いい意味で深く考察などはせず、
「面白かったなーみんな幸せで良かったなぁ」
と、ホクホクした気持ちで観られる作品は、今の私にとってはとても嬉しかったです。
もちろん製作や内容は前々から決まっていたので、タイミング的には本当にたまたまだとは思うんですが…
コロナ渦で世界中の人が、場所や人との繋がりや、当たり前だった日常から分断されている今、別離エンドの作品はもしかしたら見ていてしんどいし、ともすれば今は響かないかもしれない。
ラーヤの行動力と信念によって、絆が繋がっていく物語を、少なくとも私は、今このタイミングで観られて本当に良かった。
決して華やかなドレスを来て、ミュージカルナンバーを歌い上げるような主人公じゃないけど、それなのに、普遍的で温かい気持ちを思い出させてくれる。
先の見えないこの時代に、なんだか彼女から勇気がもらえたような気がしました。