■増えすぎる「○○会」
佐:「あと最近、握手会みたいなファンとの交流イベントも形式が増えすぎて、握手やハイタッチだけじゃなくって、「ハグ会」や「なでなで会」、「ささやき会」とか「脈はかり会」とかあるじゃないですか、それが面白くて仕方なくって、もうその対象が好きでもないのに行ってみたいってなってくるんですよ。このあいだもアイドルが流したそうめんをファンが食べるっていう「流しそうめん会」があったと聞いて、行きたくて仕方がなかったです」
め:「ささやき会とか絶対体臭わかっちゃうからこわいですよ! 友達曰く、バンギャルが垢抜けたのは、そういうふうに増えたからだって。リリースごとにインストや握手会があるから、CDの発売日と同時に美容院に行く子もいるそうです。ホントそんなに近くにバンドマンがいるとか想像しただけで…無理です」
佐:「だからホント、この嫌な空気があの子に触れてしまう!ってなっちゃうんですよ。でも行かなきゃ、買わなきゃいけないと。買わないとあの子の収入に係るし、動員も必要じゃないですか!」
――次の日のニュースに「イベントにXXX人来場!」って書かれてほしいですしね。
佐:「やっぱり数字がモノを言う世界なんですから…。プロマイド買うのも、誰が何枚売れたとか集計もされてるでしょうし。お気に入りの子を買ってあげたいんです」
め:「そうそうそう」
佐:「本人のモチベーションにかかわると思うんですよ。こっちも重苦しい愛をぶつけてしまいますけどね…」
――っていうかどこまでぶつけていいのかわかんないですよね…。全然「キャーキャー」言われなくても「僕人気無いのかな」ってなるでしょうし、言われすぎるとウザいかもしれないですけど!
佐:「ホントに…昨日(※4)も双眼鏡であの子のジャージ姿を目に焼き付けておかないといけないと思って…卒業公演だったんで。そしたらあの子はこんな気持ち悪いファンに見られてるって気づいたら…だんだんかわいそうになってきて…なんかそしたら涙が出てきて…そして、写真集を買いましたね」
め:「お金を払えば!」
佐:「多少気持ち悪いのも許してもらえるんじゃないかって」
(※4) 対談を収録した日はテニミュの千秋楽の翌日でした。お気に入りの子の卒業公演だったそうで…。
■おっかけは無駄じゃない!
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め:「それで思い出したんですけど私、大学生の頃バンドマンにファンレター出すときに、手紙に添えて「飛び出すカード」を作ってて、本人の似顔絵を飛び出すようにしたりしてました。今考えるとどうしてそんなことをしたのか…」
佐:「なんか自分の持ってる能力で、どうにか相手を喜ばせたいっていう想いが、気持ち悪い方向に行くんですよね」
め:「でもそういうことを続けてるとなんだかんだで職業につながったりしますし。そのファンレターを毎回作ってて『次はどうやって驚かせてやろうかな』と生きがいみたいになっちゃってて。それであとあと広告代理店に就職した時に変な折チラシとか作りまくったりして、ある意味役にたってるなと」
――学校や地元じゃないところ、全国に知り合いがいるから、その人脈が想像しないところで生きたりしますからね。
佐:「バンギャルやってた頃は、「こんなの大人になったらなんの役にも立たない」って言われてたし、自分でも無駄だと思ってた。でもそれが今の仕事につながってたりしてて、好きなことをおっかけるって無駄じゃなかったんだって今になってすごく思います』
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