アニソンを語らせたら話が長くなるおじさん、住吉STRANGERがアニソンを語り尽くすコラム連載「偏愛アニソン道」第5回。京都アニメーションが手がけるアニメ『小林さんちのメイドラゴン』より、「fhana(正式表記は最初の"a"の上にアクセント)」が歌うオープニング主題歌を『青空のラプソディピックアップします。

2013年に『有頂天家族』のエンディングテーマ『ケセラセラ』でデビューを飾った「fhana」は、その後もコンスタントにポップ・ミュージックとして高いクオリティを保った楽曲を次々にリリース。

その素晴らしいメロディセンスと、towanaさんの魅惑的な歌声、そして、ドラムレス、ベースレスでリズムは打ち込み中心という特殊なバンド形態ながらもヒューマニズムに溢れるサウンドで、アニソンファンを惹きつけて止まないグレートなバンドです。

筆者も偏愛しまくっているfhanaですが、今回の新曲でも、また極上のポップソングを届けてくれました。

ディスコ・ミュージックの要素を取り入れたサウンドを偏愛したい!

『青空のラプソディ』は、fhanaらしいハツラツとした歌とメロディはそのままに、ディスコ・ミュージックの要素を取り入れたサウンドが特徴の曲。『コメットルシファー ~The Seed and the Sower~』(『コメットルシファー』OP曲)のカップリング曲だった『c.a.t.』でもダンス・ミュージック的なサウンドアプローチを耳にすることができましたが、今回の『青空のラプソディ』は、その方向性をさらに押し進めた楽曲という印象を受けました。

裏打ちのビートが、これまでのfhanaサウンドとは少しばかり趣の異なる新風を吹き込んでおり、熱心なファンにとっても非常に新鮮な気持ちで聴くことができる曲です。間奏で、ストレートなディスコサウンドへと転換し、終盤パートへと繋げる展開もおもしろく、このバンドが持つテクニックと音楽的感性に改めて驚かされます。

一方で、バンドとしてやりたいことをキッチリとやりつつ、『小林さんちのメイドラゴン』の世界観に、歌詞や音のニュアンスを落とし込むことも決して忘れていません。towanaさんのキュートな歌声で綴られる「僕は君の翼になれる勇気があるよ」「僕は君を背中に乗せて空を舞うよ」というパンチラインを聴いて、アニメ本編で描かれた小林さんと一緒に空を飛ぶトールの姿が瞬時にフラッシュバックした方も多いことでしょう。

"見せる"ことにも注力したMVも偏愛したい!

『星空のラプソディ』で注目して欲しいのが、MV(ミュージックビデオ)の存在です。これまでは、演奏を行うバンドの姿を中心とし、比較的シンプルで、演出も控え目なものが多かったfhanaのMVですが、今回は何とメンバーがダンスを踊るという新機軸を取り入れています。

さらに、映像も長回しを多用した疑似ワンカット風のユーモア溢れる、かつ見応えのある映像となっており、耳は勿論のこと目でも楽しめる内容となっているのです。思わず、Youtubeの「共有」ボタンをクリックしてしまいたくなるような映像であり、SNSなどとの相性も良さそうです。

「聴かせる」ことは勿論のこと、「見せる」ことにも意欲的に取り込み、バンドの魅力をより一層明快にアニソンファンへと伝えてくれたfhanaのニューシングル『星空のラプソディ』。

優れたポップソングを作り続けながら、毎回、何か新しいことを取り入れているのがfhanaの大きな魅力であり、ファンから愛される要因となっています。どこまでも進化を続けるこのバンドから、2017年も目が離せそうにありませんね!

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。