世界的な社会問題が明らかに!『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
いち高校生の周りの話、ヘックスと言う狭い世界の話に続き、政治や世界情勢も絡めた、表の面から"指パッチン"後を描いた本作。
消えていた5年間の収入証明が出来ないが故の貧困など、リアル過ぎる問題が次々と明らかになり、ハッとさせられた感じ。
復帰難民のキャンプが存在していたり、変わった法律への対応、仕事の斡旋などを手厚くサポートする"世界再定住評議会"なる組織も発足しています。
全人口の半分もの人々が戻ってから、まだたった半年後。
まだまだ世界は混乱に陥り、世界を救ったアベンジャーズの一員であるサムでさえも、そのあおりを受けています。
あまりにも厳しく、混沌とした世界に驚きましたが、めでたしで濁すのではなく、きちんと向き合って社会的な問題を描き、ストーリーに落とし込んでいく本作に、舌を巻きました。
長すぎず短すぎない"5年"という期間
サノスの指パッチン期間が、5年というのも、ポイントだと思います。
これが1年だったら、なんの問題もなかったと思う。
1年ならまだ、喪失感を持ったまま待てるというか、新たなステップに動きたくても動けない、ギリギリの年月。
1年後に戻って来てくれてたら、ハイ、元通り!で、世界もそこまでの混乱に陥らなかったと思うんです。
でも、5年なんですよね。
もう消された人が戻って来るのは諦めて、辛くても前を向かざるを得ず、生活も人間関係も行政も経済もなにもかも、次のステップに進まないといけない。
子どもを1人で育てる覚悟、新たな行政システムに法律、犯罪組織だって、5年もあれば整ってしまいます。
ようやく新たなシステムが整い、残された人々が前を向いて生活を営み始め、その生活がようやく軌道に乗って来たところで、突然ハイ!全員戻ったよ!って。
そりゃいろんな問題が勃発するし、やっと収集付けた世界がまた混乱に陥って、空白の5年間の方がマシだったなんて意見が上がるのも納得ですよね。残酷だけど。
フェーズ4の真髄感
空白の5年間に、人々が戻って来てからのめでたしを、ひっくり返すまでは行かないにしろ、きちんと向き合い、問題から目を背けず真っ向から描く本作。
そして主役のバッキーとサムも指パッチン組なので、彼らももちろん混乱しています。
だからこそ、観ている私たちも共感して入り込めるんですよね。
フェーズ2→3のような続き感はなくて、本当に一区切りついて、きちんと次のフェーズに進んだ感じ。
新たな世界へのワクワク感と言うか、1つの結末に向かって丁寧に続いてきたフェーズ1~3とはまた違った新しい感覚に、この先も期待が高まりますね!
期待値高まる『ホークアイ』
フェーズ4の作品群は、これからも続いて行きます。
新たなキャラクターや世界が描かれるものもありますが、続編モノも多い!
中でも、指パッチン生存組であり、妻と子ども全員を失い、道を外してしまうほどの絶望を味わった、ホークアイを掘り下げるドラマシリーズは、期待大!
ワンダもサムもバッキーも消されてしまった側なので、生存し、かつ変わりゆく5年間を目の当たりにし、絶望しそこからサノス撃破まで駆け抜けたホークアイが、どう掘り下げられるのか。
また親友のナターシャを失い、喪失感を持ったまま、"指パッチン"後の世界で彼がどう生きて行くのか。
その生きざまを、早く観たくてたまりません!
まだまだ話題作が目白押しのMCUフェーズ4、これからさらに盛り上がって行くこと、間違いなしですね!