5つの「隠れ我慢」タイプ別、おすすめの対処法

5つの「隠れ我慢」タイプには、それぞれのに合う対処法があります。

心理カウンセラーの下園壮太先生に教えていただきました。

1.気遣いさんタイプ

下園壮太先生(以下、下園)「自分の気持ちに素直になるのがおすすめです。『周りのためにこうあるべき』と『本当ならこうしたい』の間をとって、少しずつ行動に移しましょう。

例えば、『家族のごはんを毎日休まず手作りすべきだけど、本当はたまには休みたい』という場合には、時々はスーパーのお惣菜を買ってきたり、デリバリーを頼んだりするところから始めてみましょう。

そうしていくうちに、自分にも周りにも心地よいバランスが見つかるはずです」

2.敏感さんタイプ

下園「敏感なあなたの感性を周りに理解してもらえず、悩んでしまいがちです。

例えば旦那さんに子育てと家事について理解してもらえないと感じたとき、自分がどう感じていて、それを旦那さんにどんな風に改善してほしいかを整理して、『具体的な対応策』に落とし込んで伝えると、きっとスムーズに対応してもらうことができますよ。

また、同じように感じているママ友などがいると心強いだけでなく、伝えるときの説得力も高まります」

3.頑張りやさんタイプ

下園「ひとりで悩みを抱え込んでしまいがちなので、誰かに心の中を打ち明けてみましょう。相手が見つからない場合は、ノートなどに思いを書き出してみてください。

このとき、問題を解決しようとするのではなく、『いろいろな気持ちを吐き出す』ことを意識するのがポイント。いい子の自分の言い分だけでなく、悪い子の自分の言い分もしっかり受け止めてあげてください」

4.慣れっこさんタイプ

下園「自分で意識的に心身を我慢から開放してあげるのがいいです。

例えば『3つのR=レスト・リフレッシュ・リラックス』を心がけてみてください。子育てや家事、仕事で疲れ切っているのなら、思い切って休んでみること(=レスト)。

少し元気になったら、観たかった映画を観たり、食べたいものを食べたり、友人と話したりしてリフレッシュやリラックスをしてみてください」

5.不調さんタイプ

下園「心身の不調を“しょうがないこと”だとあきらめているかもしれません。

そこで、改めて自分の心身と向き合い、『不調であっても、ここまでならできる』『こういう場合には、こうしたい』という自分に合った行動基準を見つけてみましょう。見つかったら、ぜひ家族や友達にも共有してみてください。

一人で対処することが難しいときは、医師や産業医などに相談するのもおすすめです」

隠れ我慢タイプに当てはまった場合は、それぞれに合った対処法をぜひ実践してみてくださいね。

【取材協力】心理カウンセラー 下園壮太さん
心理カウンセラー。MR(メンタルレスキュー)協会理事長、同シニアインストラクター。
1959年、鹿児島県生まれ。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。陸上自衛隊初の心理教官として、衛生隊員やレンジャー隊員などに、メンタルケア、惨事ストレスコントロールの指導、教育を行う。2015年に退官し、現在は講演や研修、著作活動を通して独自のカウンセリング技術の普及に努める。近著に『寛容力のコツ』(三笠書房)、『自衛隊メンタル教官が教える 人間関係の疲れをとる技術』(朝日新書)。