■年末調整が終了すると還付金が振り込まれる
さて、源泉徴収票が個人に配られた頃、給与振込口座に数万円ほどの振り込みがあったりします。これを還付金といいます。「源泉徴収票」に書かれた確定版の所得税額と、毎月引き落としていた仮の納税額を計算し、差分を返してくれるものです。
ときどき「年末に数万円会社がくれるのがうれしい」「ちょっとしたボーナスだよね」と喜んでいる人がいますが、これは誤解です。なぜなら「払いすぎを返してもらった」だけのことだからです。
人によっては、年末調整時に不足が生じて、追加納付を求められることがあります。この場合、12月の給与振込の際に少し多く引かれることになります。
「本当はもっと還付してもらえるはずだった」というような人は、来年の確定申告で書類提出すると国から直接還付してもらうことができます(例えば年末調整終了後に子どもが生まれた場合、初めて家を買った最初の年、医療費がかさんだ年など)。そのときもこの源泉徴収票が必要になりますので、必ず保存しておきましょう。
■マネープランの基礎情報として活用したい
ところで、この源泉徴収票の情報は、マネープランにも活かしていきたいものです。例えば、自分の年収と1年間の貯蓄額を割り算すれば、この1年間での貯蓄率が分かります。貯蓄率はできれば10%以上を常時キープしておきたいところですが、自分がどれだけがんばって貯金できているかのチェックに使えます。
また、昨年の源泉徴収票と今年の源泉徴収票を比較すれば、年収の推移も読み取れます。年収の増減は残業代や諸手当にも影響しますが、増減の要因を分析したり、今後のキャリアアップのための判断材料として現状把握する貴重なデータにもなります。
小さな紙切れ一つにいろいろな情報が満載なのが「源泉徴収票」です。今年は源泉徴収票をじっくり検証してみてください。