――おふたりは人のためにという気持ちが自分を強くしてくれたことはありますか?

間宮祥太朗、鈴木伸之 撮影/奥田耕平

鈴木 もちろん作品のために、人のためにという気持ちはあるけど、僕は結構自分のためにという考えの方が強いタイプかもしれない。現場にいるときも、まずは自分のことだけを見て、しっかりやろうと思うことの方が多いし。

あんまり人に左右されないというか、いい意味でも悪い意味でも自分を通してしまうでいっちゃうケースが多いかもしれないですね。

間宮 でもこういうのありません? 本当はそんな差をつけちゃいけないんだけど、すげえハモったというか、信頼関係のある共演者がいると、その人の寄りのシーンのときは、自分が映らなくてもつい頑張っちゃうみたいな(笑)。

鈴木 あ〜! わかるかも(笑)。

間宮 自分はちらっとも映ってもいないんだけど(笑)。なんか相手のためにというのがあって。

鈴木 逆に自分が寄りのときに、相手に手抜かれると嫌じゃないですか?(笑)

間宮 あはは!

鈴木 あれ、気づくじゃないですか。

間宮 気づく気づく。びっくりするぐらい抜く人いるから(笑)。

鈴木 そうなんですよ。相手が抜いているのがわかっちゃうと、こっちも冷めちゃいそうになるから。あれが嫌なので、僕は自分が映ってなくても手は抜かないようにしています(笑)。

今の時代は、財力が男の強さにつながっているのかも?

鈴木伸之 撮影/奥田耕平

――おふたりは、強い男への憧れはありますか?

間宮 ありますね。

鈴木 うん、あります。

――おふたりの考える、強い男とは?

間宮 『東京リベンジャーズ』に近いところで言うと、『仁義なき戦い』に出てくる男の人はカッコいいですね。あの世代の人たちが今の僕らと同い年のときの姿とか見ると、なんか年輪が違うなあって思うんですよね。

鈴木 確かにね。

間宮 みなさん、自分の生き方の哲学があるんですよね。さっき言ったような、誰かのためにっていうのもありながら、それもひっくるめて自分のためだろ、みたいな感じで生きている。その感じがカッコいいなって。

鈴木 現代とはまたちょっと違いますもんね。特殊というか。

間宮 今はもうああいうのは生まれないよね。

――鈴木さんは男の強さってなんだと思いますか?

鈴木 ちょっと全然関係ない話になっちゃうかもしれないですけど、女の人って結婚するとき、その人の内面を好きになって結婚するのか、その人の持っているお金とか安定性に惹かれて結婚するのかどっちだろうと思ったんですよ。

間宮 気になるね(笑)。

鈴木 今の時代は、ある意味、そういう財力が男の強さにつながるのかなって。1回女の人に聞いてみたいです。めっちゃ自分がいいなと思ったとしても、お金を一切持っていなかったら結婚しないのか。そんなに好きじゃないけど、お金をすごい持ってたら結婚するのか。

間宮 そこで言うとさ、俺、動物のドキュメンタリーが好きでよく観るんだけど。この間、池でカモが一匹のメスを争って喧嘩している番組がやってたから、それを30分くらいずっと観てて。

結局勝った方がメスと結ばれるんだけど。動物界はそういうふうに強いオスの遺伝子を残したいというのが絶対あるじゃないですか。じゃあ人間界で言ったらそれはなんだろうって。

鈴木 人間だと、お金持っている人イコール遺伝子が強いみたいなものもある気がする。

間宮 あとはマッチョとかね。人間はお金とか言葉とか文化とかいろんなものを手に入れたけど、そういうドキュメンタリーを観ていると、動物みたいな純粋な強さに憧れるし、自分自身、そうありたいなとは思いましたね。