多くの人は、家族に頼みごとやお願い、アドバイスなどをしたとき、こちらの言うことを聞いてくれないと、『強さ』や『頻度』を上げて伝えようとします。

「早くしてよ!」と怒鳴ったり、何回も同じことを言ったり、「何度同じことを言わせるのよ!」とまくし立てたり…。

あなたも心当たりがありませんか?これでは、相手の反発心や反抗心を招くだけ。そして、お互いに嫌な思いを残すことになります。

一度同じことを言って伝わらないなら、それは“言い回し”を考える必要があるということです。家庭のイニシアチブ(主導権)を取っているママは、言い回しがとても豊富です。

今日は、いつの間にか家庭のイニシアチブを取っている妻の言い回しを、実例を交えてお伝えします。

1.夫や子どもに不満や反抗心を抱かせる妻の言い回し3選

まずは、多くのママがやりがちな代表的な言い回しを3つお伝えします。

「~して(しなさい)」(命令・指示)

夫や子どもになにかしてほしいことがあるとき、「ゴミ出してきて」「さっさと片付けなさい」と、このような伝え方をする人はとても多いです。これらの伝え方は、相手にとっては、「命令されている」「指示されている」感がとても強く、反発心や反抗心を抱かせてしまいます。

ちなみに、このような伝え方を、「(あなたは)~しなさい」と、主語が“あなた”になっていることから、『ユーメッセージ』と言います。

「~するべきよ」「絶対に~したほうがいいわよ」(断定)

夫や子どもの欠点や短所というのは、嫌というほど目に付くもの。そんな欠点や短所が垣間見える場面に遭遇したとき、「~するべきよ」「絶対こうしたほうが良いわよ」と言いたくなるかもしれません。しかし、このような断定的な表現も、相手に反発心を抱かせます。

夫や子どもに良くなってもらいたくて言ったことなのに、「余計なお世話だよ!」「なにも分かってないくせに!」と言われてしまい、裏目に出てしまうことになります。

「あなたは間違っている」「そんなんじゃ全然ダメよ」(否定)

夫や子どもの話を聞いていて、「そんなんじゃダメ」「あなたは間違っている」と否定したくなるときもあるでしょう。このような否定表現は、思いやりがなく、相手を見下した表現です。

いくらあなたの言うことが正しく的を射ていたとしても、これでは相手に響きません。自分を真っ向から否定されて、「そうだな、自分が間違っていた!今度はこうしよう!」と思える人は、ほぼいないことを覚えておきましょう。

2.いつの間にか家庭のイニシアチブを取っている妻の言い回し5選

ここからは、心理学に基づいた、家庭のイニシアチブを取っている妻が使っている言い回しをお伝えします。

1.アイメッセージ

アイメッセージとは、「(私は)~してくれたら嬉しいんだけど」という伝え方です。

アイメッセージは、“わたし”が主語になっているメッセージ。「(あなたは)~して(しなさい)」というユーメッセージと違い、あくまで「私はこう思う」「私はこうしてくれたら嬉しい(助かる)」と伝えているだけなので、伝えられた相手は、命令や指示されているとは感じません。

なので、抵抗感なく、すんなり受け入れてもらえるというわけです。

(例)「(あなたは)ゴミ出してきて」⇒「(私は)ゴミ出してきてくれたら助かるんだけど」

「(あなたは)さっさと片付けなさい」⇒「(私は)早く片付けてくれると嬉しいなあ」