2.団結・協力

人は、ひとりでなにかをするより、集団や誰かと団結・協力してなにかに取り組むほうが、はるかにやる気を発揮します。

これは、小さな子どもにしても同じです。その心理を利用して、してほしいことを伝えてみましょう。

(例)「メタボ体型になってきたんだから、ちょっとはダイエットしたら?」⇒「私も最近ちょっと体型が気になってきたから、一緒にダイエットがんばりましょう!」

「字の練習(宿題)、もっとがんばりなさい」⇒「ママも字がうまく書けるように練習するから、一緒にがんばろうか」

3.推量表現

推量表現とは、「~かもしれない」という伝え方です。推量表現は、一見頼りないように思いますが、押し付け感がまったくがないので、「~すべきよ」「(絶対)~したほうがいいわよ」という押しつけの強い断定的な表現より、抵抗感が少なく、相手の潜在意識に入り込みやすいのです。

(例)「あなたは仕事がいっぱいになったらストレス溜まって体調悪くなるんだから、もうこれ以上は仕事を断るべきよ」⇒「もうこれ以上は、仕事を断ったほうが、精神的にも体にいいかもしれないわね」

「この字は、こう書いたほうが絶対キレイよ」⇒「この字は、こう書いたほうが、キレイかもしれないね」

4.Yes,and法

人の話は、たとえどれだけ「間違っている」、「自分の考えとは違う」と思っても、まずはいったん「そうだね」「なるほどね」と、“Yes”で受け取ることが基本です。反論や意見があるときは、受け取ったその後に述べます。

このとき、「でも」や「だけど」など逆説の接続詞を使うと、自分の考えを受け取ってもらえてスッキリしている相手の心に、また抵抗感を生むことになり、台無しになります。

反論や意見は、「それで~」「そういえば~」「あえて言うとすると~」など、“And"の接続詞で伝えるようにするだけで、相手の受ける印象はまったく違ってきます。

(例)「それはあなたが間違ってるわよ」⇒「そうなんだ、そういう考えなんだね。それで、私はこう思うんだけどね…」

「そんなんじゃ全然ダメよ」⇒「なるほどね。そういうやり方もあるんだね。あえて言うとすると、この部分は、こうしたほうが良いんじゃないかな」

5.引用

引用とは、第三者の意見や自分の経験を利用して、相手にしてもらいたいことを暗に伝える方法です。

「(私ではなくあの人が)こう言っていた」と言われると、信ぴょう性や説得力が増すもの。この場合の第三者は、周りに実在する人物だけでなく、テレビや本の引用でも効果的です。子どもに伝える場合は、自分の成功談や失敗談なども使えます。

(例)「トイレの便座を下げないと、金運が悪くなるわよ」⇒「トイレの便座を下げないと、金運が悪くなるって、テレビで○○さんが言ってたわよ」

「歯はきちんと磨かないとダメよ」⇒「ママね、子どものころ、虫歯ができて、歯医者さんで治してもらったの。すごく痛かった。でも、ちゃんと歯を磨くようにしたら、虫歯が無くなったよ」

まとめ

家族に対して『命令・断定・否定』のコミュニケーションが多いというママは、これからは今日お伝えした言い回しも使ってみてくださいね。コミュニケーションは、伝え方を変えることで、相手の反応も変わります。

3万人を超える人の悩みを解決するコーチ&カウンセラーとして活躍。 2010年、その経験を活かしてコミュニケーション心理スキルを紹介する、コミュニケーションライターとして独立。一般社団法人日本聴き方協会認定シニアインストラクター・認定シニアカウンセラー。 [ブログ]