3.激しいかんしゃくを起こしたときの対処法

会田「抱っこをしてあげられる状況でしたら抱っこをしてあげても良いですが、基本的には落ち着くまで見守ってあげましょう。頻繁にかんしゃくを起こすようなら、起こしやすいポイントを親が理解して、事前に避けるようにする工夫もしてあげたいですね。

例えば『お風呂に入る時間だよ』『もう帰る時間だよ』と言われてかんしゃくを起こす子は、朝から1日のスケジュールをしっかり伝えておいたり、こまめに、早め早めに時間を伝えてあげることでかんしゃくを減らすことができることもあります。

子どもによっては、遊んでいる様子を見ながら時間で区切るのではなく『ここまで終わったらお風呂の時間にしよう』など子どもが区切りをつけやすいタイミングで次の予定を入れてあげる方法もあります。

また、その子にとって苦手なことに親が気づけると、かんしゃくの回数も少し減るかもしれませんね」

4.なかなか寝ないときの対処法

会田「寝る前に安心感が得られる空間をつくりましょう。動物の本能としては眠っている間は、とても危険な時間ですので、眠る前にはできるだけ安心感を持たせてあげることで寝やすくなります。

少しの時間で良いのでゆったりとお話をしたり、抱っこをする時間を持てるといいですね。

お布団に入る前はいつも同じように『○時になったら、○○をしてお布団へ行く』というルールを決めます。時間も含めてスケジュールが決まっているほうが子どもは安心できて、スムーズに寝ることにつながってきます。

例えば、20時になったらぬいぐるみにおやすみの声がけをしてお布団へ行くなどですね。

生活リズムを整えられると寝付きもよくなりやすいです。子どもはまだ「寝る練習」をしている段階ですので、仕方ないとある程度、割り切って、寝る練習に無理のない範囲で付き合ってあげてほしいです」

5.公園で遊んでいるとき、なかなか切り上げないときの対処法

会田「子どもは『今』を生きているため、遊びを中断することは非常にむずかしいです。公園に行く前の段階で『○時になったら帰ります』と事前にお約束をしましょう。その上で、15分前、5分前にも声をかけて、遊びをおしまいにするタイミングをはかってあげてください。

それでも時間になっても切り上げないときは、泣いていたとしても連れて帰っても大丈夫。そうやってお約束を守ることの大切さを学びます。

ただし、親が必ず日々、約束を守ることも大切にしてください。例えば『○時になったら帰ります』と言っていたにも関わらず、ママ友がその時間に公園に来たからついつい話し込んで時間を過ぎてしまったということがあると、子どもも時間は守らなくて良いものと学んでしまいます。

とはいえ、どうしても今日は話したいと思ったら、そんなときは子どもと交渉する方法もあります。

『○○ちゃんのママが来たから、少しお話したいんだ。○時のお約束だったけど○時までいいかな』など子どもにきちんとお話をして、その上で子どもが良いと言ってから時間延長をしましょう。

同じように子どもも交渉権を持っていますので、子どもが『あとすべりだい、○回滑ってから帰りたい』と言い出したときは、交渉にのるか、のらないかは親が決めます。『約束だから絶対守る』というよりも、ある程度のゆるやかさも大切にしながら、日々をおだやかに過ごせたらいいですね」

最後に、会田さんは、イヤイヤ期の子育てを頑張っているママ・パパに応援メッセージをくれました。

会田「イヤイヤ期と一言で言っても、子どもによってイヤという理由はそれぞれあります。今回ご紹介したのはあくまでも一例で、子どもによって、親によって、時期や環境によっても最適解はそれぞれ異なります。

あくまでも一つのヒントとして試してみたいと思ったことは取り入れてみて、『我が家はこうしたほうがうまくいく!』ということがあれば、ぜひそちらを大切にしてください。まわりの力も借りたりしながら頑張りすぎずに、日々を健やかに過ごせますように」

会田さんのアドバイスのように、ぜひ今回の内容をヒントにして、親も一緒に前向きに対処していきましょう!

【取材協力】会田 夏帆さん

会田夏帆さん

日本乳幼児遊び教育協会代表。親子・幼児教室ぐちゃラボ(横浜市)を開講。年間1,500組の親子が集まり、入会まで1年待ちの実績を生かし親子教室・保育士などのためのセミナーや保護者向けの子育てセミナーを行っている。