他人の子どもが出来ないことは笑ってにこやかに見ていられるのに、自分の子が出来ないとなるとイライラしてしまう親は多いものです。
さっき教えてあげたばかりの問題が出来ないと「どうして出来ないの!」とついイラッとして怒鳴ってしまった経験を持つママも多いと思いますが、この無意識に言ってしまう「どうして出来ないの!」という言葉は、子どもを困惑させてしまうと教育評論家で精神科医の和田秀樹氏は言います。
また「どうして出来ないの!」という言葉は子どもを困惑させるだけでなく、自信をなくし、自己肯定感をも低くしてしまう可能性があることから、感情的につい口にしてしまいがちな言葉ですが注意をしなければいけないと和田氏は警告します。
では、何度言っても出来ない子にはどう対処すれば良いのでしょうか。
今回は、和田秀樹の著書「12歳までが成功のカギ!「頑張れる子」の育て方」の育て方」を参考に、出来ない子への対処法と、つい言ってしまった場合の対処法についてお伝えします。
「どうして出来ないの!?」はなぜいけないのか
子どもは「どうして出来ないの!?」と聞かれてもどうしてなのか分からない場合がほとんどで、うつむいたまま何も答えない場合が多いものです。
「○○だから出来ない」「○○だから分からない」と明確に答えてくれれば親としても対処のしようがありますが、何も答えない子どもにまたイラっとしてしまい叱りつけてしまうママは多いのではないでしょうか。
しかしそこで叱ってしまったところで何の意味もありません。意味がないどころか子どもにとってマイナスとなってしまいます。
では、どんな面でマイナスとなってしまうのでしょうか。
やる気をなくし、さらには困惑させる
子どもは褒められて伸びると言われています。しかし「どうして出来ないの!?」という言葉は、子どもにとって何で出来ないのか分からなくさせているだけではなく、自分が否定されていると感じる言葉だと言います。
否定されていると分かれば、やる気は一気になくなるというもの。大人が子どもに尋ねるように聞いている「どうして出来ないの?」でも、子どもには否定の言葉としてしか聞こえていないのです。
そして更に、「どうして出来ないの!?」と言う親は必ずと言っていいほど、イライラしています。そのイライラが子どもには焦りとなって伝わり、余計に頭を困惑させてしまうと和田氏は言います。
何で出来ないのか分からない子どもを更に困惑させてしまい、パニックに陥らせてしまうのです。