幼稚園や保育園に通う、3~5歳くらいの男の子のほとんどがハマると言われている「戦隊もの」。
戦隊ものは女の子バージョンもありますが、ハマりやすいのは男の子です。
男の子はもともと言葉数が少なく、言葉を発しなくても空想の世界で遊ぶことが好きな傾向にあります。
テレビで見るヒーローのカッコいいポーズや悪い敵を倒すシーンがとても魅力的に映り、それに空想の世界でなりきり、ごっこ遊びをするようです。
しかしこの戦隊ごっこ遊びは、相手を力づくで倒したり、傷つけたりするシーンが多く、また敵が発する言葉が乱暴で汚いものが多いことから、ママ達からは敬遠されがちです。
そもそも、戦隊ごっこは子どもにとって悪影響なのでしょうか。
日頃からたくさんの子ども達と接する、未就学児教育のプロである保育士は、「戦隊ごっこは子どもに良い影響もある」と言います。良い影響があると言う理由とはいったい何でしょうか。
今回は、戦隊ごっこが子どもに与える影響について、保育士からのインタビューを元にご紹介したいと思います。
「戦隊ごっこ」は、ママ達が感じているほど悪くない!
戦隊ごっこがママ達に敬遠されがちな理由と言えば「言葉が乱暴」「友達にケガをさせる恐れがある」ですから、子どもが戦隊ごっこをはじめると思わず「やめなさい!」と怒鳴ってしまうママも多いのではないでしょうか。
また兄弟が家の中ではじめると、お隣や近所への影響から、子どもを叱りたくなるママの気持ちは分からないでもありません。
しかし、「ヒーローは楽しんで悪者を倒しているのではなく、弱者を守るために戦っている」ことをちゃんと伝え、家の中ではなく公園などの広いところでやることなど、きちんと遊びの意味合いや決まりを伝えれば、大人が思うほど悪影響はないと保育士は言います。
実際に保育園で戦隊ごっこを日常的に見ていても、「危ない」「ダメ」などと言って止めるようなケースも少ないそうです。
お友達とさまざまなシーンを考え相談し合い、ヒーローや悪役を交代で演じるなど、仲間を通じて学べることも多いと言います。
意外と多い!「戦隊ごっこ」が子どもに与える好影響とは
では具体的に、戦隊ごっこは子どもにとってどんな良い影響があるのでしょうか。未就学児教育のプロである保育士に聞いてみました。
痛みや手加減を覚える
戦隊ごっこをするとどうしても心配なのがケガです。子どもが擦り傷やあざなどを作ると冷や冷やするものですが、「多少のケガは目をつぶってください」という保育士。
また戦隊ごっこでお友達にケガをさせてしまったりすると、親としては居ても立っても居られない気持ちになりますが、お友達は「ケガをして痛いから泣いている」ことを伝えれば子どもはちゃんと学習します、と言います。
つまり、子どもは戦隊ごっこを通じて、痛みや手加減を学習するということです。
痛みや手加減を知る経験は、子ども時代でなければ出来ないことですから、ある意味子ども時代には必要で大切な経験なのかもしれません。