きょうだいでお互い補い合ってほしい
――お子様3人、きょうだいでも性格は全然違うと思います。漫画でも幾度となく表現されていますが、改めてそれぞれのキャラクターはどのような感じですか?
山本「長男は、とても穏やかで、私と子どもたちの潤滑油になってくれることがよくあります。
私が、下の子どもたちに注意する言葉がきつ過ぎたときも、穏やかな言い方でフォローしてくれることも多いです。私を諭してくれることもあります。
小さい頃からずっと穏やかなので、生まれついての性格なのでしょうか。きっと夫に似たのだと思います。
印象に残っているのは、長男が3歳になってまもない頃。
当時1歳の次男との兄弟育児に疲れ果てて、つまらないことでイライラしてしまって、ふすまをバーンと大きい音を立てて閉めたことがありました。
そのときは静かにしていた長男でしたが、少し時間が経って私が落ち着いた頃に、そっと近くにきて、『お母さん、ふすまをバーンと大きい音で閉めないでね、僕、びっくりしちゃうからね』と静かに言ってくれたとき、こんなに小さいのにこちらを気遣いながらちゃんと自分の気持ちを話してくれたことに驚きました。」
山本「次男は、繊細で頑固者。気持ちの表現がストレートです。
普段はあんまり言うことを聞いてくれない上に、妹にも雑な対応をすることが多いのですが、いざというときには頼れるお兄ちゃんとして行動してくれます。
印象深い思い出は、夏休みに長男が義母の家へ泊まりに行っていたときのことです。
長女も夏期保育に行っていたので、この機会に次男との時間を満喫しようと思い、二人でザリガニ釣りをしてからお昼ご飯を食べに行きました。兄弟といるときは一所懸命話をして甘えてくる次男が、この時はほとんど話さなかったことがとても印象的でした。
『二人でご飯に行ったことは内緒にしようね』と約束しましたが、その後なんどもそっと『お母さんとしょうちゃんが二人でご飯に行ったことは内緒やもんな』と嬉しそうに耳打ちしてきて可愛らしかったです。」
山本「長女は、かわいいものとお父さんと歌が好き。いつもにこにこしながら、おしゃれや歌を楽しんでいます。
長男や次男も歌は好きでしたが、長女はオリジナルの歌をよく歌っていて、上の子たちと違うなあと興味深く見ています。
末っ子の甘えん坊と思っていましたが、先日、私と次男が宿題をいつするかについて激論を交わしていたとき……つまり喧嘩していたときには、『仲良く話した方がいいんと違うかな?』と提案の形をとって仲裁してくれました。
家族みんなのことをよく見てくれているなと感じます」
――3人のエピソードそれぞれかわいらしいですね。きょうだいを育てていてよかったと思うところはどんなところですか?
山本「3人いるのが当たり前になってしまっているのでうまく言えないのですが、自分が姉妹が多かったので、自分がそうだったように、子どもたちも喧嘩相手・相談相手が身近にいつもいて楽しいだろうなと思います。
あと、それぞれの得意分野がきっと違うので、互いに補い合ってくれたらいいなと思います」
――ご自身の経験もふまえて、きょうだいの良さを改めて思うのはどんなときでしょうか。
山本「子どもの間は、親には話しづらい悩みや不満なども兄弟間で話し合えるでしょうし、大人になってからも色々良い相談相手になってもらえるのではないかなと思います。私自身、姉妹とは友達とも親とも違う程よい距離感があって、しょっちゅう相談したり、ただ話を聞いてもらったりしていつも助けられています。
女同士の方が話し相手が必要な場合が多いかなとも思うのですが、末っ子には同性のきょうだいがいません。でも年の近い同性のいとこが何人もいるので、困ったときお互い相談し合える関係になってくれたらいいな……と思っています」