平壌冷麺には白キムチ

ソウルの平壌冷麺専門店のペッキムチ(白キムチ)。粉唐辛子がわずかに使われているだけなので文字通り白い

韓国料理のなかでは拍子抜けするほど淡白で澄んだスープと、そば粉が香る麺で日本の人にも愛されているのが北朝鮮発祥の平壌冷麺だ。

日本のコリアンタウンで提供される韓国料理はこの20年間でかなり本場に近づいたが、「平壌冷麺だけは韓国(または北朝鮮)で食べないと」という声もよく聞く。

朝鮮戦争(1950~1953)のとき、半島北部から南側(今の韓国)に避難してきた人たちが始めた冷麺店では、冷麺に大根のペッキムチ(白キムチ)が添えられることが多い。

平壌冷麺に添えられたペッキムチ(白キムチ)

唐辛子をまったく使わないか、使ってもごくわずかなので、牛肉やキジ肉でダシをとった繊細なスープの味を邪魔しない。日本の漬物好きにも好まれる味だ

(つづく)

フォトギャラリー韓国人が好む「キムチチゲ」メニューを写真でさらに見る
  • 大衆食堂のキムチチゲ定食
  • ソウル鍾路3街の大衆酒場の人気メニュー、コンチ(サンマ)キムチチゲ。缶詰のサンマの水煮がそのまま入っている
  • キムチチゲ専門店のもの。豚肉がゴロンと入っている
  • 焼肉店で〆に頼んだキムチチゲ
  • よく漬かって白菜の白い部分までオレンジ色に染まったキムチ

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鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。