木浦の全羅道料理専門店で食べた三合(エイと豚肉とキムチ)
映画・ドラマ・音楽などの韓国文化の流入とともに、日本に普及・定着した食べ物を紹介する連載の2回目は、前回に続いてキムチ=キムジャンについて。
キムジャン直後、幸せのつまみ食い
11月から12月の上旬は韓国の食堂でも漬けたてのキムチに出会える
キムジャン(ひと冬分のキムチ漬け)が終わろうとするとき、甕に収める前のまだ発酵の進んでいないキムチをつまみ食いするのが最高と前回書いたが、韓国が豊かになってくると、つまみ食いにプラスアルファが付くようになる。
そのひとつが茹でたり蒸し煮したりした豚肉だ。コクのある豚の脂とさわやかな辛味のあるキムチが口の中で混じり合うと、それだけでごちそうだ。
これにアミの塩辛が加われば、最高のおかずになる。もちろん韓国焼酎にも合う。
ソウルのロッテワールドタワー内にあるレストランのテジポッサム。豚肉(手前)だけでなく鴨肉(中央)も。白キムチ、切り干し大根のキムチが添えられている
もうひとつが生の牡蠣(クル)だ。子供の頃、初めて牡蠣を食べたときは「大人はなぜこんな見た目も味も奇怪なものを嬉々として食べるのだろう?」と思ったものだが、味覚が成長すると、それが一変する。
キムチと豚肉と生牡蠣の組み合わせは、数ある韓国料理のなかでも、もっとも大人っぽく、奥深い味覚だと思う。
こうした幸せなつまみ食いは、のちにテジポッサム(豚肉とキムチ)やクルポッサム(牡蠣とキムチ)の名で外食メニューとして地位を確立することになる。
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