「睡眠負債」という言葉、最近、よく耳にしますよね。睡眠負債とは、睡眠不足が借金のように積み上がっていく状態を指します。

子育てに睡眠不足はつきものですが、それはつまり、子育てをしているママは睡眠負債をためやすい傾向にあると言えます。

ずっと続くわけではないから、と睡眠を大切にすることを後回しにしていませんか? 子育て中であれば、尚更がんばってしまうママも多いと思います。

けれど、子育てという重要な任務をこなすためにも、一度立ち止まって、自分の睡眠を見直してみてはいかがでしょうか。

書籍『昼間のパフォーマンスを最大にする 正しい眠り方』を出版されたばかりの睡眠コンサルタント・友野なおさんに、お話を伺いました。

睡眠負債はサイレントキラー

睡眠負債の何がこわいのでしょうか。

友野さんの著書によると、それは、日々のパフォーマンスの低下を招くだけでなく、うつ病、がん、認知症、心筋梗塞などの疾患に罹るリスクを高めることなのだそうです。

さらにこわいのは、ちょっとした寝不足と思っているうちに、いつのまに自分の身体を蝕んでいくという点なのです。それも自覚なしに。

2014年にOECD(経済協力開発機構)が行った16~64歳女性の1日あたりの平均睡眠時間を比較した国際調査によると、日本人女性の平均睡眠時間は、加盟国中で最も短く、また、男性よりも女性の睡眠時間が短い国は、加盟国中、日本を除くとほとんどないというのですから驚きです。

日本人女性は、よほど意識していないと、睡眠負債をためこむ危険性が高いと言えるかもしれません。

睡眠負債をためない子育てはどこまで可能?

もし、少しでも睡眠負債をためない方法を知ることができれば、今よりもっと子育てを楽しめるのでは、と筆者は思いました。

今回、お話をうかがった睡眠コンサルタントの友野なおさんは、なんと2か月前に出産されたばかり。まさにタイムリーなお話を伺えました。

ズバリ、睡眠負債をためない子育てはどこまで可能でしょうか、とお聞きしたところ、

友野さん「結論からいうと、新生児の時期にママが眠れないことは、これはもう仕方ないことなんですね。この時期は、基本的に赤ちゃんのリズムに合わせて授乳したり、お世話をしたりすることが重要な時期になります」

と友野さん。そ、そうですよね……それに、この時期って、筆者も覚えがあるのですが、眠れないし、身体もまだボロボロなのに、赤ちゃんのために多少寝なくても大丈夫だった気がします。

友野さん「多少寝なくても頑張れるのは、ママ自身も気が張っている時期ですし、ホルモンの影響もあるといわれていますよね。私自身も夜中に母乳をあげたりと、今は赤ちゃんのリズムに合わせて生活をしている毎日です」