― あの、理想の結婚相手についての話を…

C「ずっと聞きたかったんですけど、みなさんってナチュラルですか? ドリーミンですか?」

B「私はナチュラルだね」

A「僕も当然ナチュラル。ドリーミンなんてオカマのやることでしょ」
 

C「うーん、やっぱりね(笑) 僕はそういう現状が本当に悲しくて…。一部の人のせいでドリーミンの悪い部分だけが取り沙汰されてるじゃないですか」

A「え? Cさんドリーミンなの!?」

― あの…何の話ですか?

C「ああ、えっと、毛を処理しないのがナチュラル。処理してから握るのがドリーミンです」

B「私は別にドリーミンにも偏見持ってないけどね。ただナチュラルのほうが楽でいいなってだけで(笑)」

A「うーん、僕はちょっと納得いかないかなぁ。処理するんだったら、最初から脇で握んなっていうか」

C「それは極論ですよ! 初心者はドリーミンのほうが入りやすいわけだし、もっと裾野を広げてライトファンも取り入れていかないと、いつまで経ってもこの業界はマニアの集まりじゃないですか!」
 

A「それで脇おむすび全体の質が下がるぐらいなら、マニアの集まりのままで僕は結構。ライト層が増えるのは別に構わないけど、ライト層に媚びるのは反対だね」

C「誰が媚びるなんて言いましたか!? そもそも『ドリーミン=質が下がる』っていう考え方が…!」

B「まあまあまあまあ! 落ち着いて! ほら、私の握ったおむすびを2人で食べてよ」

A「あ、そんな! せっかく握ったおむすびを2つに割るなんて…!」

C「信じられない! なんてことするんですか!?」

B「邪道かな? でもキミらがやってることも似たようなもんでしょ? ナチュラルだドリーミンだと理屈をつけて、脇おむすび業界を2つに割ろうとしてる」

C「…!!!」

A「…うぐ、そ、それは…」

B「キミらは2つに割れたおむすびが美しいと思う? 思うんだったら、このおむすびを食べなさい、さあ」

C「…すいませんでした」

A「…おかげで、目が覚めました」

B「フフ、握り直しだね。このおむすびも、私達の関係も、さ」

A「ちぇっ、なーんか最初から最後までBさんにうまくやられちゃったな」

C「ほんとほんと。やっぱりただの目立ちたがり屋だよね」

B「こらこら、そんな時だって2人で結託するんじゃないってーの(笑)」

― いいから、もうとっとと帰れよ。

 

話聞いてくれない。全然こっちの話聞いてくれない。
考えてみれば「脇でおむすびを握っちゃう系男子」なんて奴らが結婚も恋愛もできるわけありませんでした。

こんなふうに安易に○○系男子なんてカテゴライズして、一般化させるのは非常に危険なことなのかもしれません。みなさんも気をつけましょう。
 

 
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株式会社バーグハンバーグバーグは、変テコなWEBコンテンツ制作・運営や映像制作、執筆活動などを得意としているコンテンツメーカーです。ギリギリセーフをモットーに絶妙なラインをキープしつつ、ギャップを利かせた企画で世界を闇に包むのが目的。自社メディア「オモコロ」も基本毎日更新しています。 

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