「懐かしい味がする」、東京豚饅の豚まんを食べてみた

「東京豚饅」の豚まんは1個200円(税込)。コンビニの肉まんがいくらするのか知らないが、この店の豚まんは高いどころか、廉価だと思う。

東京豚饅

豚まんを家に持ち帰り、セイロで温め直した。

チンではなく、蒸して温め直すのが一番うまい/東京豚饅

袋に練りからしが入っていたが、ひと口目はそのまま賞味。きざんだ玉ねぎが大量に入っているので食感が愉快。

練りからしを付けてみた。大阪発祥の豚まんは練りからしをつけることを前提に作っているのか、そのままほお張るよりも断然風味豊かな味わいになり、よりおいしくなる。

そのままよりも練りからしを付けたほうが味がしまり、うまいかも/東京豚饅

85歳になる義母(千葉県出身)が、60年前(昭和36年)、新婚旅行先の大阪で「551蓬莱」の豚まんを食べたというのだ。「あの味をいまでも忘れられない」と聞いているので、関西へ出かける度に豚まんを義母に買って帰ってきた。

「東京豚饅」の豚まんを義母に食べてもらったところ、「懐かしい味がする」と喜んでくれた。

「551蓬莱」の創業者がいつまで豚まんを作っていたのか詳らかでない。もしかすると義母が大阪で食べた昭和36年当時、創業者がまだ厨房に立っていたかもしれない。

「豚まんを食べたのは、新婚旅行先のときが初めて」だそうな。「大阪のどこで食べたのか記憶にないけど、あのとき食べた豚まんはもっと大きかったわ」

マルセル・プルーストが紅茶に浸したマドレーヌの香りから過去を思い出したように、「東京豚饅」の豚まんを食べた義母は、60年前の記憶が蘇ったのかもしれない。