2021年、印象に残ったV系ライブは?

藤谷:2021年、印象に残っているライブはありますか?

赤西:Ashmaze.初ワンマンツアーのファイナル(2021年10月22日 Spotify O-WEST「Ashmaze. First ONEMAN TOUR 2021【Black Jack】」)はすごく良かったです。

これまでも何度もライブは観ていたのですが、ワンマンツアーを経て、急に良くなりました。

藤谷:それは何故そう感じたんでしょう?

赤西:今までの会場では狭くて思ったように動けていない感じがして、Ashmaze.はステージングがよいので広い会場でようやく本来の姿を見れたような気がします。

南:私はアルルカン主催の「束の世界」(2021年11月14日 Zeep Haneda 「アルルカン Presents『束の世界 -SONOSEKAI-』」)ですね。

赤西:私、あのイベントはチケット取れなかったんです。一般チケットが即完売で!

南:アルルカン 、キズ、vistlip 、 DEZERT、lynch.、RAZOR 、と、ワンマンでZepp規模のバンドばかりでしたしね。

トップバッターが一番キャリアのあるlynch.で、そこからオーディションで選ばれたnurié という流れも良かった。「皆でシーンを盛り上げていこう」という意志を感じました。たしかに、ライブのMCでそういうことを言う人は多いけれど、アルルカンは有言実行してくれたな、と。

藤谷:アルルカンは上の世代と下の世代をつなごうとしている気概を感じますね。

私が2021年観たライブの中で印象に残っているのは、DIAURAです。(11月27日神田SQUARE HALL『R.I.P.-to chaotic future-』tours)ツアーの中間点的なライブだったのですが、本当にバンドが良い状態にあることが伝わってきました。

その前の年にも、DIAURAのワンマンを観ていたのですが、当時は新型コロナウイルス影響下のライブに対して、まだ探り探りだったところが伺えたけれど、今の状況に対応した上でライブを魅力的に見せてくれていた。『R.I.P.』自体も個人的な昨年の名盤として挙げたいです。

南:『R.I.P.』、すごく評判いいですよね。

藤谷:「ヴィジュアル系」というジャンル、シーンが成熟していった中で、「ダークで美しく、激しいもの」がちょっとギャグっぽく、パロディっぽくなることもあるじゃないですか。その中で、「あえて古のヴィジュアル系をやっています」でもなく、現在進行のカッコいいものとして、「ヴィジュアル系」をやっているというか。ライブも含めて、そこが好きですね。