黄昏泣きの原因は?

――なぜ激しく泣くタイミングが夕方なのでしょうか?

長岡「黄昏泣き(コリック)」の原因は、はっきりとは分かっていませんが、いくつか諸説があります。

  • ガスがたまったり胸やけなど「腹部・胸部の不快感」
  • 乳たんぱく質や果糖などへの「不耐性」
  • 乳児片頭痛
  • 脳が発達過程にあり気持を切り替えるのが難しい
  • 小さな刺激にも強く反応する性質

身体の不快感から起こることのある黄昏泣きも、命に関わる疾患が背景にあることは、ほとんどないとされています。

それでももし心配でしたら、小児科を受診するのも方法です。病気ではないと安心することで肩の力も抜け、泣き続ける赤ちゃんに少し余裕を持って付き合えるかもしれません」

現在、黄昏泣きの明確な原因は分かっていません。しかし、「身体の不快感」「性格」「体質」などが原因として考えられるとのこと。どうしても不安な場合には一度専門機関を受診してみると良いかもしれません。

黄昏泣きの対策

――黄昏泣きの対策方法はあるのでしょうか?

長岡「よく泣く赤ちゃんのママほど、産後ウツになりやすいといいます。

「赤ちゃんは泣くものだから……」と、限界まで我慢するよりも、ママが心身共に疲弊してししまう前に、対策を練っていきたいですね。

対策1:五感を刺激する

黄昏泣きをするのは、「身体の不快感」や「気持ちの切り替えが難しい」などが原因にあります。ですから、泣き叫ぶその場の対策としては、「不快感を紛らわす」、または「気持ちを切り替えるのを手伝う」といったイメージで、赤ちゃんに接してみましょう。

例えば、長く響く鐘の音を聞かせたり、キラキラと光るもので視覚に訴え、五感を刺激するのも方法です。また、外を散歩することで、肌にひんやりとした風や陽光の温もりを感じられます。

お風呂へいれたり、ドライブするのも、赤ちゃんにとって、大いに五感を刺激します。

対策2:食事を変える

母乳を与えるママが普段口にする食材を変えることで、黄昏泣きが改善することもあります。乳製品、ナッツ、卵、フルーツ、炭水化物、カフェイン、チョコレートなどへの不耐性が「消化不良」の原因にもなり得ます。

またミルクの銘柄を変えることで、効果がある場合もあります。

対策3:周りの助けをできるだけ得る

睡眠不足のまま、泣き叫ぶ赤ちゃんにつきっきりの状態では、ママのストレスもたまる一方です。

ママのストレスは赤ちゃんに伝わります。そうして、ママのイライラや不安感を感じ取った赤ちゃんが、より泣き叫び、落ち着くのも難しくなりと、悪循環に陥ってしまいます。

パパ以外にも、赤ちゃんを短時間でも見られる親族や友人がいるといいのですが、それができない状況ならば、料理や家事はできるだけ簡単にすませ、後回しにできることはとにかく横におき、赤ちゃんが眠り始めたら「一緒に休む」ことにフォーカスしましょう。

「黄昏泣き(コリック)」はママにとって心身ともに大変な時期。できる限り休む時間を取るよう工夫し、これも赤ちゃんの「期間限定の成長過程」と思い出し、のりきっていきたいですね」

――「五感の刺激」「食事内容」「周囲のサポート」が大切であると話す長岡さん。1つずつ対策をして、効果が現れるか試してみると、意外にもあっさりと黄昏泣きが改善されることもあるようです。

まとめ

黄昏泣きは、忙しいママにとって非常につらいもの。「家事が溜まっているのに~!」とイライラしてしまう原因にもなってしまいますよね。

しかし、黄昏泣きは期間限定の赤ちゃんの現象。長岡さんのアドバイスを実践し黄昏泣きの改善を目指したり、その時期は家事の手抜きをしたり、周囲のサポートを受けたりして上手に乗り切ることが大切です。

とても大変な時期ですが、あなた流に乗りきってくださいね。

【取材協力】ユア子育てスタジオ・長岡真意子さん
名古屋市熱田区生まれ育ち。
名古屋大学大学院人間情報学研究科修士課程修了(文化人類学専攻)
子育て研究人として、育児に関する情報発信をおこなっている。